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アリの世界で女王ライフ  作者: 小田鶏助
[一章] 俺、アリになる。
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俺、仲間作る。

 俺達はゴキブリを倒しコロニーへ戻るのであった。肉体的な疲労も酷いものだが精神的な疲労も馬鹿にならないものがあった。


 先程まで騒がしかったコロニーは元通りの活動音を響かせていた。とは言ってもいつもより静かだった。今日でどれだけの命が戦場に消えたのだろうか。


 あまりにも切り替えが早すぎるとも思ったが、少しでも早く働き始める。それがアリの世界であり、この厳しい世界を生き抜くための(すべ)なのだ。迷って立ち止まっていてはならない。迷って悲しんでいては簡単に死んでしまう。そんな世界だ。


 あれだけの戦いをした六匹はすぐさま祝賀会に巻き込まれた。あんな事があったのだから祝賀会と言うよりも弔いをした方が良いと思うが前を向いていくためだろう。


 五匹とじっくり話したかったが、それは後にして今は自分を称えるとしよう。疲れを癒したいということはまず第一にあった。


 偶然だが、祝賀会では人間の食べ物が多かった。これはとても心の支えにもなった。

 チョコレートや飴などの甘い物、その他にもスナック菓子などもあった。

 久しぶりのまともな食べ物は疲れ切った体に染みる程美味しかったが、しかし甘い物ばかりで飽きが来る。


「この度は、私達を救って下さりありがとうございました。

 今回の戦績を認め貴方を“上級兵士”に認定します。」


 どうやら今から俺の上級兵士認定式が行われているらしい。


「はい!これからも女王様のためにより一層精を出し、コロニーを守ることを誓います。」


 と述べ認定式の一通りを終えた。

 俺は今までただの一下級兵士であった。

 そのことを考えると称号を得ることも悪くないだろう。


 同時に他の仲間達の認定式も行われていた。

 中級兵士だった二人は晴れて”上級兵士"になった。

 すると残りの二人の兵士達も一つずつ階級を上げ“中級兵士”となっていた。

 その様子をベテラン上級兵士はただぼうっと眺めていた。

 もしかしたら何か考えていたのかもしれない。


 その後しばらくはその甘ったるい食べ物を食べながらほとんどテンプレなアリ達の祝福を眠くなりながらも聞き流していた。

 内心では早く五匹との会談をしたかったが、折角誉め称えられているので聞き続けるしかなかった。


 祝賀会が終わるころには、コロニーに細い光が差し込んでいた。


 他のアリ達も今までになかった規模だというあたり相当の危機だったのだろう。

 今日は特別に丸一日休暇がもらえた。 やっとのことで六匹で会うことができた。


「やっとみんなで集まることができた。まず礼を言おう、昨日はありがとう。六匹でコロニーを守ったんだ。」


「あの、リーダーちょっといいですか?」

 と、若い中級兵士(元下級兵士)が話を中断した。

 いつの間にかリーダーと呼ばれていた。


「リーダーの名前決めません?あの兵士団では入ったときに名前を決める習慣があるんですけど、リーダーはまだ名前決まってませんよね?」


 確かにそうだった今までは特に不便はなかったが、これからのことを考えると名前を決めた方が便利である。


「じゃあまず自己紹介しましょう。私はリンダ、中級兵士よ。よろしく!」


 と若いら


「次は、私かね。私はグレーテル。よろしく。上級兵士だ。」


 とベテランのグレーテルは落ちついて言った。


「わたくしは上級兵士ニコラス・ギハールと申します。ギハールとお呼び下さい。」


 と元兵士団長の参謀のギハールは丁寧に言った。


「次は、俺か。俺は上級兵士サントス。こんな俺だがよろしく。」


 と控えめに言ったのは上級兵士のサントスだった。


「も、もしかして僕ですか?僕はケビン。中級兵士です。よ、よろしくお願いします。」


 とケビンはおどけて言った。


 アリの世界の名前は何故だか国際色豊かな様だ。


「最後だな。俺はユート上級兵士、新生アリ兵士団リーダーだ。そして、お前らを第一期の兵士隊に任命する。」


 そして新たな仲間達は(そうだ、そうしよう)などと意気込んだ。


 こうして俺は新たな歩みを始めるのであった。

初の仲間キャラです。

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