自己的隔絶。
すべてを、捨てようとした。
世界に失望したからではない。
私自身に、絶望してしまったから。
何もすることができない。
何かをすると、確実に誰かに迷惑が掛かる。
そんな自分に、嫌気が差した。
もう、誰にも迷惑を掛けたくなかった。
鉄骨を組み、コンクリートで壁を固めた部屋を作る。
重い重い鉄扉で入り口を閉ざし、閉門と共に自動ロックの掛かる、大掛かりで高価な鍵を、扉の外側に取り付けた。
首に輪をつけ、壁に鎖で繋ぐ。
手首、足首も、同じように拘束を施す。
扉が、自動的に閉まる。
ガシャン。重く、冷たい音が響いた。
外から開かれる事はない。
人がどれだけ集まろうと、動く事のない鍵だから。
この心が変わらぬ限り、解かれる事のない錠だから。
何も無い、時の止まった部屋。
真っ暗な闇の中、啜り泣く声が響いているのだろうか。
もう、二度と、外の世界へ出たくない。
足手まといは、他に迷惑。
それが、もう、耐えられない。
一度、築き上げた関係も、過去も、未来も捨ててやりたい。
すべてを壊して、この存在を無かった事に。
さて、最後に、もう一度言おう。
すべてを、捨てようとした。
今、私が語る事が出来るのはここまで。
続きは、何か、変動が起こった時に。