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青春の続きは異世界で。  作者: 音風
第一章 竜人族の里
7/10

6 戦闘訓練 俺とベルの最強説 笑

少々遅れましたが、お待たせいたしました!

前よりは長いですが、今回もちょっと短めです。

お楽しみ下さい。

俺たちはミリオスに連れられ、訓練場に入った。


「まだ人が集まっていないから、とりあえず魔力操作のさわりだけやっておくか。」


ミリオスは訓練場の広場のようなところに着くと、そう言った。

ミリオスは魔力操作の手本を見せると、俺たちにもやるように指示してきた。


・・・・・出来るわけねぇ。


その理由は、ミリオスの説明が大雑把すぎるということだ。大体にして『身体の中にあるエネルギーをこう、フワッとしてブオッとだな。』なんて言うもんだから理解できるわけがない。

・・・・・はずなのだが。


「カイト、みてほら!ぶおー!」


ベルはあの大雑把な説明で理解したらしい。現に魔力を放ったり出力を変えたりできている。この体になってから魔力を感じられるようになったので、ベルが不規則に魔力の波動を俺にぶつけてくるのが分かる。


「分かった、分かったから不規則に魔力をぶつけるのは止めてくれ。いや、やめなさい。あと、ぶおーって言わなくていいからな。」


「やーだー。」


ベルがそう言って止めないので、俺はベルの方へ行き、頬をムニムニした。


「やーめーなーさーいー。」


「ほめんらひゃい(ごめんなさい)。」


ムニムニを止めると、ベルは口を尖らせて頬をふくらませながら近くにあった石ころに魔力をぶつけていた。わざといじけたような仕草をしているのだろうが、とりあえず俺はベルの頭を軽く撫でると、レヴォルトの方へ向かった。


「出来たか?」


集中して、もはや瞑想状態のレヴォルトに聞いた。


「いや、さっぱりだ。」


「だよな。」


「そもそも説明が酷すぎる。よくベルは出来たな。」


・・・・全く、その通りだよ。よくベルは出来たな。


俺とレヴォルトが悶々としていると、もう10分ほど経っていたらしく、授業を受ける生徒がぞろぞろと入ってきた。

ベルはそれを見ると、俺とレヴォルトの方へ駆けて来た。


「なんか人がいっぱい来たよ。」


「そりゃ来るだろ、俺たちだけの授業じゃ無いしな。」


ミリオスは入ってきた生徒たちを並べると、俺達の方へ来た。


「さ、始めるか。とりあえず後ろにでも並んどけ。」


俺たちはミリオスに言われた通りに後ろの方に3人で並んだ。

ミリオスが魔力操作について話を始めた。また大雑把な説明が来るかと思いきや、そうでもなかった。てか、最初からそういう説明しろよ。


「それじゃあ適当にグループでも作って練習してくれ。魔力を自由に操れるようになったら今日はもう教えることはないな。暇なら俺が模擬戦の相手になってもいいぞ?」


そう言ってミリオスは俺の方をチラッと見た。


・・・・いえいえ、やりませんて。


俺はベルとレヴォルトと一緒に練習をした結果、出来るようになった。ただ、俺のステータスに書いてあったとおり、魔力が他の人達よりもかなり高い。つまりどうなったかというと、魔力を感じて試しに放った時、とんでもない勢いでレヴォルトが吹っ飛んでった。


「カイトよ、そりゃ無いぜ?まぁ、ベルが吹っ飛ばなくてよかったな。」


レヴォルトがそう言ったが、確かに考えてみると冷や汗が流れてくる。


とりあえず魔力操作が出来るようになったようなので、試しにステータスを確認してみた。


-カイト-

所属 ディアス 1年

年齢・17

種族・竜人間 ハーフ

性別・男

レベル・1

魔力・10000

攻撃力・9800

防御力・6500

俊敏力・8000

魔攻力・9800

魔防力・6500

運・65

魅力・70

{装備}

・竜人族の普段着 

・竜人族の普段靴

{スキル}

・鑑定・全言語理解・竜化・竜魔法・古代竜の加護・魔力操作・無属性魔法

・生活魔法



・魔力操作

体内の魔力を自由に扱うことが出来る。


・生活魔法

生活に必要最低限な火や水を出すことができ、身体を綺麗にしたり、その名の通り生活に必要な魔法が使える。


・無属性魔法

重力操作、空間操作、物質の構築と分解、を魔力を使い行うことが出来る。

ただし、生活魔法以外の属性魔法が一切使えなくなる。



どうやら魔力操作が出来るようになったお陰で魔法が使えるようになったようなのだが、無属性のせいで、他の魔法が生活魔法以外使えないらしい。どっかのお兄様じゃあるまいし、勘弁して下さいよ・・・・・。


まぁ、なったものは仕方ないので我慢することにした。


・・・・っと、ベルはどうなってるのかな。


そう思い、ベルを鑑定してみた。


-ベル-

所属 ディアス 1年

年齢・17

種族・竜人間 ハーフ

性別・女

レベル・1

魔力・3000

攻撃力・1500

防御力・1800

俊敏力・1300

魔攻力・2000

魔防力・1800

運・50

魅力・90

{装備}

・シルカームのワンピース 製作者リゼラ

・手作りパンプス     製作者リゼラ

{スキル}

・鑑定・竜言語・竜化・竜魔法・古代竜の加護・魔力操作・治癒魔法・属性魔法 極


・治癒魔法

身体を治す魔法や、体内の毒素を消し去る魔法などが使える。


・属性魔法 極

属性の存在するすべての属性魔法が使える。

ただし、属性の存在しない無属性魔法が一切使えなくなる。



属性魔法 極すげええええええええええ!なんで俺はお兄様設定なんだよ。そうか、お兄様がいれば万能妹も存在すると?何だかフクザツな気分。


ちなみにレヴォルトは鑑定しないことにした。鑑定は相手に許可を貰わなければステータスが表示されないので、とりあえず知り合ってまだ日も浅いのでやめておくことにした。


「さて、殆どの奴らが出来たみたいだな。」


ミリオスがそう言うと、こっちに歩いてきた。


「やるぞカイト。俺と模擬戦だ!」


「嫌です。」


俺は即断った。


「なぜだ?」


「面倒くさいからです。」


レヴォルトは『俺がやる!』という顔をしていて、ベルはジト目で俺を見てきた。だって面倒じゃないか。いいよ、レヴォルトやっちゃえよ。


「よし!じゃあ俺に攻撃を当てられた奴はご褒美に俺が外界に旅行に連れてってやる!全員一斉にかかってきてもいいぞ!さぁこい!」


ミリオスがそう言うと、周りの奴らは眼の色を変えてミリオスに攻撃を仕掛けた。この里は許可された者以外、外界へ出ることは禁じられているので、とんでもないご褒美になるということだ。


「お先に行かせてもらうぜ!」


レヴォルトはそう言うとミリオスへ向かって駆けて行った。俺は小さい声で『逝ってらっしゃい。』と呟いた。


「カイト。私、外界に行ってみたいから攻撃当ててきてー。」


「ベル、お前は攻撃当て無いのか?」


俺がベルに聞くと、ベルはミリオスの頭上を見たので俺もそっちを見てみた。すると、頭上に水が浮かんでいた。ベルが『行け―!』と言うと、浮かんでいた水は四方八方に散らばり、全方位からミリオスを狙った。


・・・・いつの間にそんなテクを身につけたんですかねぇ。


しかし全方位から襲う水をミリオスは躱すと、向かってくる大勢の生徒を魔力でふっ飛ばした。


「さぁ、次はお前だぞ?」


ミリオスはニヤニヤしながら俺を見てくる。


「はぁ・・・・・。じゃあ一発だけ行かせてもらいますね。」


そう言うと俺はミリオスの方へ全力で駆けた。勿論、俺の化け物ステータスでの全力疾走なので瞬間移動に近い。俺はミリオスの目の前まで移動すると、右ストレートをお見舞いした。構えた時に空間魔法を使い、正面から攻撃が来ることはなく、左の何もないところから右手だけが飛び出て、ミリオスを直撃した。


「ゴハッ、お前、空間魔法が使えるなんて聞いてないぞ!」


「言ったら躱されるじゃないですか。」


「それもそうだな。まぁいい、外界旅行に連れてってやろう。連れは1人だけ許そう。どうやらお前を守る必要はなさそうだからな、ハハハ。」


「カイト、勿論連れてくよね?」


「分かってるって、はいはい。じゃあミリオスさん、俺とベルでお願いします。」


「じゃあ今週末だな、準備しとけよ。」


授業の時間はまだあったが、殆どが魔力でふっ飛ばされてギブアップということだったので、早めに終わった。

教室に戻って帰る準備をすると、レヴォルトは『特訓だ!』と言って飛び出していった。


「さ、ベル、帰るぞ。」


「あ、カイト。出かけるなら服買ってこうよ。」


「俺、何も持ってないぞ?」


「お母さんに言えば何とかしてくれるって!楽しみだなー、外界。」


「サラさんに頼るのもなぁ。とりあえず帰るか。」


「ほーい。」


学校を出た後、帰り道の商店街で服を見るために店に向かっていると、俺が文字通り命を捨てて助けたマウリッツさんが服屋で店番をしていた。


「やぁベルちゃん。あ、カイトさんもご一緒ですか!今こうしていられるのも貴方のおかげなんです。私に出来る事ならなんでもおっしゃってください。力になれるよう頑張りますから!」


ベルがマウリッツさんの変わり様に驚きながら俺の方を見てきた。


「カイト?おじさんと何かしたの?」


「いや、助けたんだよ。」


「そうなんだ!」


”人間に殺されそうになったところを”なんて言うわけにもいかないので、それとなく誤魔化しておいた。


「あ、だったら服を作ってもらおうかな。インナーとズボンは適当でいいからコートだなぁ。ちょっと中二っぽく首元と袖口にファーを着けて、魔力を流せるようにしてほしいな。温度調節と強度増加とか。」


「お安いご用ですよ!全身全霊を込めて作らせていただきます。では・・・。」


俺はマウリッツさんに店の中に連れて行かれ、寸法を測った。測るのが終わると、デザインを紙にささっと描いて見せてきた。


画力すげぇぞ・・・・・。


俺が感嘆の声をあげた。紙にはファーの付いたアニメのキャラが着ていそうなコートが描かれていた。配色は殆どが白。


「これいいです!ありがとうございます!」


「いえいえ、カイトさんのお役に立てて光栄です。これからもよろしくお願いします。」


「こちらこそ!では今日中に仕上げておきますので、明日好きな時間帯に取りに来て下さい。」


俺は店を出ると、ベルと家に向かった。そして、俺の家とベルの家の別れる道にさしかかった。


「じゃあここまでだなー。」


「え?カイト今日来ないの?」


「いや、毎日行くわけにもいかないだろ。」


「来てよカイトー。」


「今度なー、だから離せって。」


ベルが俺の腕にしがみついて離れない。


「むぅー、じゃあ明日?」


「なんでそうなる。今度だ、今度。」


「絶対だよ?絶対ー!」


「わーった、わーったから俺の腕掴んだまま暴れるな。痛い、痛いって!」


「もし来なかったら、ベル迎えに行かないから!」


「それは別に構わないんだけどな。」


「あー!ずるいー!じゃあ、じゃあ、えーっと、どうしたら良いの?」


ベルが俺に尋ねてきた。いや、俺に聞くなって。


「まぁ待っとけって。今度行くから。」


「むぅ、またそれだー!絶対来てよ!」


「はいはい。じゃあまた明日な。」


「ばいばーい!」


俺とベルは分かれて、自宅に向かった。

家に帰ると、さっさと食事を済ませ、風呂に入りベットにダイブした。今回はうつ伏せにダイブした。

角だけ空間魔法を使って別のところに出してある。なんという高等魔法の無駄使いだろう。まぁ俺の魔法だからいいのだ。誰にも文句は言わせない。

俺は魔力操作を適当に練習しながら、寝た。


カイト「今度だって言ってんだろー。」

ベル 「今度って何時なの!?わかんない!」

カイト「気が向いたらだな。」

ベル 「絶対来てよ!」

カイト「てか何でそんなに来て欲しいんだ?」

ベル 「それは・・・・、えっと、なんで?」

カイト「だから俺に聞くなって・・・・・。」


次回も日曜更新の予定です。

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