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プロローグ
真っ暗な場所で、僕は獣の鳴き声で目を覚ました
記憶にあるのは、一番新しいもので僕の10歳の誕生日の記憶だ。
「ごめんなさい・・・・」
と、泣きながら来たこともないような場所に一人置いて帰っていくところだ。
古い記憶では、生前の記憶もある。
前世の記憶では、魔術師に討たれるて死んでいる。
前々世では、誰もいない薄暗い部屋で自害している。
それ以前の記憶は持っていない。
僕の母は、人間だ。
だが、父が悪魔だったらしい。
無理やり犯されて、望みもしなく出来てしまった子。それが僕だ。
そして、今は人の気配がしない真っ暗な場所で一人で、これからの事について考える為に外に出た。
日が当たる明るい場所で自分の体を見ると、とても10歳の体には見えない。
どのくらいあの場所にいたのかを確認する為に、僕は人のいそうな場所を目指して向かった。