表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/9

ゴブリン繁殖村 ~逃げられない発情交尾に男の娘姫騎士堕ちる~  やめろゴブリン!そこだけは!悲鳴と快楽が交差する、孕ませたかったゴブリンたちとのドタバタ村生活

全裸土下座でおすすめがあれば教えてください

「っと、こんな謝ってる場合じゃなかった」


「うふふ、そうねェ。ドロップ確認しましょ」


 所詮ゴブリンだったが、それでも今回は強めのゴブリンたちだったはずだ。

 こちらに魔法使いがいて、なおかつきららがいるという相性の良さがあったから楽に勝てただけで、近接オンリー、女性だけ、あるいは男性だけのパーティだったら苦戦していた可能性は高い。

 

 つまり――ドロップに期待できる。


 さて、何が出たかな?

 ……はっ?!こ、これは……!


「なになに~?何が出たの~?」


「……これ」


 俺はきららに、今拾った本を差し出した。


 ――

 『ゴブリン繁殖村 ~逃げられない発情交尾に男の娘姫騎士堕ちる~

 やめろゴブリン!そこだけは!悲鳴と快楽が交差する、孕ませたかったゴブリンたちとのドタバタ村生活』

 ――


「あらァ!えろ本じゃないの!」


「えろ本?!ちょっと僕に見せて!!……お、おぉ!これはこれは素晴らしい!!」


 江口が歓喜の涙を流している。

 えろトラップダンジョン産のえろ本は、この世のものとは思えないほどすんばらしいものだ――そんな噂は聞いていたが、実物を見るのは初めてだ。俺も、早く見たい。


「ね、ねぇ~、きららも見たい~」


「……」


「ダメそうねェ。もう完全にえろ本の虜だわァ」


「なぁ江口!俺にも、俺にも見せて」


「……」


 ダメだ。完全に没頭してる。

 というか――食い入るように読んでる。いや、読んでるというより、もはや食べ始めてる。


 まずい。このままだと江口とえろ本が融合してしまう。

 そうなる前に、なんとかしないと。こうなったら……


(きらら、ここは協力だ)


(うん!きららがバックドロップするから~、なんとかして~?)


 ……多分、そんな感じのアイコンタクトが通じた。


「江口く~ん!そんな二次元なんかより~、きららともっといいことしよ?」


「ねぇ?今、二次元なんかって言った?!」


「そこは反応するんだね~。さすが、どうて――ぇいっ!」


「ぐべぇっ!」


「ナイス!よし、えろ本ゲット!」


 見事なジャーマンスープレックスだった。

 

 俺はただ目の前に手渡しているかのような手で気絶してる江口からえろ本をパクるだけ。


 ちなみに、バックドロップは脇の下に頭を入れる技で、ジャーマンスープレックスは抱えたまま後方に投げる技だ。江口が変にいきり立ったからこそ成功したともいえる……いや、いきり勃ってたのかもしれないが。


 ダメだ。思考が江口に侵食されてきてる。

 それよりも、早く――えろ本を……。


 ……ほぉ?

 ……ふむふむ。








 


「ねぇ~、そろそろきららにも見させてよ~」


 ――ハッ!

 時間が飛んでた。


 これは……とんでもない。

 えろい。めちゃくちゃえろい。なのに、妙な満足感。いや、全能感とでも言うべきか。


 多分、アカシックレコードを覗いたら、同じ感想を言う。それくらいヤバい。


 だが、1つだけはっきり言える。


「これ、きららは読んじゃダメだね」


「うん、僕もそう思う」


「なんで?!」


 だって――。

 これはきららの性癖ど真ん中だし、現実に戻れなくなるりそうだから。


 忘れがちだが、ここはえろトラップダンジョンの中だ。

 さっきから京のこめかみがピクピクしてるし、今にもキレそうだ。えろ本のくだりはこれくらいにしとかないとね。


「うちに帰って、ゆっくり読めばいいじゃないのォ?」


「え~?いいの?きらら、持ち逃げするかもだよ~?」


「もちろんよォ。いっそ、きららちゃん管理で共有財産にしても――」


「それは無理~!」


 うん、俺も無理だ。

 億単位の価値が付く可能性のある本を家に置くなんて、無理。


「まぁ、その話は後だ。そろそろ進まねぇと。というか進ませろ」


「うふふ、そうねェ。きららちゃん、ここでぐずぐずしてないで早く帰って読ましょう?」


「……確かに!よ~し、みんな、早くいっくよ~!」


 玄宗さんの言うことは、きららも素直に聞く。


 玄宗さんの言うことは比較的聞くんだよな。でもまぁ、無駄なことは言わないでおこう。俺も早く進みたいところだから。えろ本もいいけど俺は冒険がしたくてえろ本ハンターになったんだから。


 いつもより少しだけ足取りが早いきららを先頭に、えろトラップダンジョンを進む。


 媚薬魔法陣に引っかかって興奮するきらら。

 感度増幅魔法陣でハァハァが止まらなくなるきらら。

 再びトリモチに捕まるきらら。

 服だけ溶かすスライムの罠に落ち、全裸になるきらら。

 オークに襲われるきらら。

 そして、またトリモチに引っかかるきらら。


 ――いくつもの困難を乗り越えて、ダンジョンは進む。


「いくつもの困難って、きららがひどい目に遭ってるだけじゃん~!」


「でも、それがいいんでしょ?俺、知ってる」


「ふふん、流石莉奈人~きららのことわかってるっ!」


 うん、何も分かってないけどね。特にオークに襲われるなんて、普通にトラウマものだ。みんなの前で全裸になるのも嫌だし。たまに全裸になっちゃうことはあるし、多少は慣れてきたけど、それでもやっぱりめちゃくちゃ恥ずかしいんだからな?


「まぁ、莉奈人は恥ずかしいよね。僕は恥ずかしくないけど」


「お、なに?やるか?っていうか、お前が裏切ったこと、ちゃんと覚えてるからな?」


「それはごめん。でも後悔はしてない」


「こいつ!」


 まぁ、ドロップ品のエッチなフィギュアは貰ったから、ここは許してやろう。


「はぁ……てめぇらがくっだらねぇこと言ってる間に、着いたみたいだぞ?」


「着いた?どこに?」


「そりゃあもちろん、ボス部屋よォ?」


 本当だ。見ただけで分かる、異様な雰囲気を漂わせる扉。間違いなくボス部屋だ。石造りの荘厳な扉には、サキュバスや動物の意匠が細かく施され、荘厳さと淫靡さが同居した空気を醸し出している。えろは芸術、とはよく言ったもので、見ているだけで思わず「ほぉ……」と感嘆の声が漏れる。


 さてさて、一体どんなボスが出てくるのか。ここまで潜っている時点で、相当な変人、奇人、狂人だ。そんな連中は滅多にいないから、中層ボスの情報はほとんど出回っていない。噂によると、中層ボスは意思を持ったモンスターで、サキュバスだったり、ドラキュラだったりと、人型の存在が現れるらしい。つまり、あれやこれやが期待できるというわけだ。


「なんとな~く莉奈人が考えてることは分かっちゃうけど~、油断しちゃ駄目だよ?」


「そうよぉ?ここで全滅した話も多いわぁ。本当は、彼らから直接話を聞きたかったのだけど……」


 全滅したってことはトラウマで引退する人が続出するくらいハードな目に合ったってことだ。そんな人から話は聞けないよな。


「ま、いいじゃねぇか。事前情報ほぼナシで戦えるのも楽しいだろ?莉奈人、そういうの好きじゃねぇか」


「もちろん。情報ありきで戦うだけじゃ、ただの作業。作業フェーズが必要なのも分かるけど……俺たちは、ついにその段階を超える時が来たってことだな」


「ふっ、僕の本気を見せる時が来たね。一発で昇天させてあげるよ」


「中層ボスだって~、きららの可愛さの前では無力っ!」


「腕試しと行こうじゃねぇか」


「うふふ、楽しそうねェ」


 やっぱり、興奮しているのは俺だけじゃない。みんなとパーティを組めて、本当によかった。えろトラップダンジョンという場所で、純粋に冒険として攻略できているのは、間違いなくこのメンバーのおかげだ。そんな仲間たちと出会えたこと自体、相当運が良かったんだろう。


「さて、みんな。そろそろ行くわよォ?準備は大丈夫かしらァ?」


「俺はいつでもいいぜぇ?」


「僕も大丈夫」


「それじゃあ、バフをかけるわよォ?」


 いつもより念入りなバフがかかる。その間に、俺も精神を集中させる。敵がどれだけ強くても、やることは同じだ。俺の役割はサブタンク兼サブアタッカー。それを忘れなければ問題ない。あとは――目一杯、楽しむだけ。


「よーし!それじゃ、いっくよー!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ