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4/9

回数は多分7回くらいです

「だいぶ呆気なかったな」


「う~ん、ギミック系のボスだったんじゃない~?さてさて~ドロップは何かな~」


「きらら!あぶねぇ!」


「きゃ~!」


 世界が急に白く塗りつぶされるほどの光に、目がやられる。


 な、なんだ?!急に全裸の俺が光り出したぞ?


「うわぁ、チカチカする~」


「みんな、大丈夫かしらァ?」


「もんだいねぇ」


「僕も大丈夫」


「俺も大丈夫」


「俺も」


 未だに目に違和感は残っているが、何とか視力は回復した。いきなり光るからびっくりしたわ。というか、なんか違和感が……。


「「何だったんだ?……あれ?皆、俺を見てどうしたの?」」


「いや~……ねぇ?」


「これは厄介ねぇ……」


「ふふ、面白くなってきたね」


「莉奈人、てめぇ、隣を見てみろ」


 隣を見てみろって……イケメンでも不細工でもない、普通の顔をした、ただの俺がいるだけ……。


「俺?!」


 なるほど、そう来たか。ならまずは……。


「先手必勝!!」


 何?!こっちの攻撃に合わせてきた?!


「【スラッシュ】!」


「【パリィ】」


 スキルまで使えるのか……。


「反応だけじゃなくて、戦闘能力まで一緒とか~。これはちょっとまずいにゃ~」


「そうねェ……ついでに性格まで再現してるみたいねェ」


「でもさ?俺らの友情なら、どっちが本物か分かるだろ?」


「お、流石俺。いいこと言うじゃん。ラノベあるあるだよね」


 そう、これはラノベではよくある展開。皆なら絶対にどっちが俺か見分けがつくはずだ。


(ねぇ、きららちゃんは分かるかしらァ?)


(ぜ~んぜん!)


(俺も分かんねぇな。莉奈人のやつ、どうして分かると思ったんだ?)


(ね、僕も分からないな……こうなったら、あれしかないんじゃない?)


(そうね、あれしかないわね)


「な、なぁ、何をごにょごにょ話してんだ?」


「まさか、分からないなんてことは……」


「本物はどっちだ?莉奈人クイズ!!」


「いぇ~い!どんどんパフパフ」


「いや、どんどんパフパフじゃないが?」


 それはつまり、全然分からないってことじゃん。


「ルールは簡単よォ?莉奈人ちゃんに関するクイズを、莉奈人ちゃんが答える。ただそれだけ!」


「それじゃあ僕から、第1問!莉奈人のFA〇ZA購入数で一番多いのは、何系でしょう?」


「え、流れ早くない?!いくら『あれ?思ったより戦闘シーン長引いちゃったな』ってこの物語を作ったであろう神が思ってても、さすがに流れぶった切りじゃん。というか、え?どうして俺の購入履歴分かってるの?!こわ!」


 俺、江口が怖いよ……。え~、なんだろ。好きなのはいろいろあるけど、改めて聞かれると困るな。一番多いとなると……。


「巨乳かな」


「ふ~ん?じゃあ、もう一人の莉奈人は?分かりにくいね。莉奈つーは?」


「催眠一択」


「なるほど……正解は、巨乳!」


「どうやら間抜けは見つかったようだな。これでどっちが本物かは分かったでしょ?」


「そうだね、分かった。莉奈つー君が本物だね」


「ね~、ぷぷぷ~。巨乳ってねぇ~?莉奈人がそんな普通の答えするわけないじゃんねぇ~?」


「そうねェ。巨乳は各作品につきやすいタグだから、必然的に1位になっただけよねェ?」


「うんうん、癖を語るうえで巨乳とか性癖のことを舐めてるよね」


「よっし、本物は見つかったことだし、偽物は倒すか」


「いやいや、ちょっと待って?ほら、一応クイズには正解してるじゃん?ね?もう1問やろう?ほら、これで偽物だったら大変なことでしょ?」


 今のはまぐれだ。偽物が本物に勝てる道理はない。たまたま上振れを引いただけ。回数を重ねれば、みんなも分かるはずだ。


「も~、しょうがないにゃ~。じゃあ2問目~。じゃじゃん!今日、きららのことをいやらし~い目で見た回数は~?」


「見てません」


「ほぉ?暫定偽物の莉奈人。それが答えか?」


 ぐぬぬぬぬ……。しょうがない、ここは白状しよう。仲間の男に劣情を催していたなんて、自認すらしたくはない。したくはないが、このままだと埒が明かないし、何より、このまま偽物だと断定されるのは、俺のアイデンティティに関わる!


「……見ました。回数は多分7回くらいです」


「いやぁ~、莉奈人のえっち~。それで?莉奈つーは?」


「オレガナカマ、ソレモオトコヲソンナメデミルワケナイジャナイカア」


「あらあら、うふふン」


「ほぉ?」


「なるほどね……」


 な、なんだよ。……なんか嫌な予感が。


「本物は莉奈つ~!やっぱり~、莉奈人は隠しきれないのに隠してる感じの童貞感がないとね~」


「あぁ、必死に隠してるのが、また滑稽で笑えんだよなぁ」


「ちょっと、いくら事実でも言いすぎだよ。にしても7回ね。これも少ないんじゃない?」


 いやいや、そんな頻繁に見るなんて……だって男だぜ?ほら、巨乳ならついつい見ちゃうとかあるけど、まな板だから。


「少ないよ~?ざっと15回くらいかなぁ~?あ、ほら、今も見た!ふふん、莉奈人はね~、きららの足が好きなんだよね~!」


「はっはっは!いいじゃねぇか。このドレス鎧から見える足がいいのかぁ?」


「チラリズムに惹かれるのよねェ?前に私に力説してきたこと、あったわよねェ」


 くそ、事実だ。何も言い返せない。俺は……弱い。


「というわけで、莉奈人。これからもよろしく。いやぁ、今度お詫びに、催眠系のおすすめ作品教えてあげるよ。銀河さんっていうんだけどね?」


「マジ?ありがと」


「じゃ~、僕も童貞感まるだしの莉奈人に~お、わ、びしてあげようかな~。ハグでもする~?アイドルにおさわり厳禁だけど~、特別だぞっ?」


「あらァ、よかったじゃない。でも、それ以上はダメよォ?ほらァ、仲間内でそういう関係になるのは気まずいって話、したじゃない」


「ならないならない。というか、別にそんなお詫びとかしなくても……いや、偽物がいろいろ引け開かしてくれたし?隠す必要もないか。よっし、じゃあお詫びしてもらっちゃおうかなぁ!」


 ……。


「あらァ!ちょっと前までヘタレだったのに、随分と漢気あるじゃないのォ」


「今回の件で一皮むけたのかな?ムクっとね?」


「ほら、ジャンプ系でよくあるじゃん。自分の影と戦って、壁を乗り越えるみたいな。それよ」


「それ主人公のやつじゃ~ん。莉奈人には向いてなくな~い?」


「でも、たまに主人公っぽいところもあるわよォ?童貞とか」


「違いないね。個性ないし?学園物で当て馬にされてるやつみたいな?」


 ……。


「ま、本物の莉奈人は分かったし~、そこの偽物はちゃっちゃと倒しちゃお?」


「流石に倒すのは後味悪いわよねェ?いくら偽物といっても……」


「俺はどっちでもいいがなぁ?まぁ、気持ちは分からんでもねぇ。偽物は置いて、さっさと次進むか」


「そうだね。偽物は放置プレイしておけば、いつか溶けていくと思うし」


「うん、俺もそれだと助かる。いくら偽物とはいえ、同じ顔を倒したくはないし」


 ……ブチッ。


「【スラッシュ】」


「何をッ……くっ、どこからそんな力……ぎゃああああああaaaaaxcaopkajkpafjpo!」


どこから?もちろん怒りからだが?


 俺に一刀両断された莉奈つーがスライム上に戻り溶けて消えていく。ちょっとグロイ。

 

「おい、お前ら。これでどっちが本物か、よく分かったよな?せいざ、ね?返事は?」


「……はい」


 たっぷり説教した。じゃないと目から水がこぼれそうだったから。お前らならわかってくれると思ったのに!

催眠、常識改変でおすすめがあれば教えてください。

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