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解決屋の日常  作者: A s
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日常から非日常

正直言って俺は普通。

よりも上の人間だと思う。

ただ信じてほしいのだが、周りを見下しているわけではない。

普通に大学も行かしてもらっていて、友人にも恵まれた。それに顔だって悪いわけじゃない、と思ってはいる。

それに彼女も・・・一応いたことはある。(まぁ2週間で振られたわけだが)

それを踏まえたうえで、俺は問題もなく、かなり順調に人生を歩んでいた。歩んでいたんだ。あの人に出会うまでは。




「なぁ進藤、あの教授さ、1回目の授業と15回目の授業でさ、髪かなり後退してたよな~」


後期テストが終わり、やっと春休みだと思ったところに、デカめの声で友人の笠田が話しかけてきた。


進藤「お前馬鹿!教授に聞かれてたらどうすんだよ!」


教授の顔色を伺う。少しこちらを見ているようにも見える。


 笠田「さっさと帰ろーぜー」


俺の杞憂を知りもせず、笠田はすでに帰る支度を終えていた。


 進藤「・・・まぁいつも通りか。」


聞こえるか聞こえないかぐらいで、愚痴にもとれる言葉を発する。


 笠田「えっ?なんか言った?」


 進藤「なんもねーよ。早く帰ろう。」


大学を出て2人で駅に向かっていると、胡散臭い落語家のような恰好をした男が向かい側から歩いてきた。


 笠田「なんか落語家みたいな人おるで。」


口に出すなよと思いながらも失笑していると、男が近づいてきた。


 胡散臭い男「君さ、ちょっとハゲたおっさんになんかしたん?」


いきなりのことで俺たち2人が戸惑っていると、俺に指をさしてきた。


 胡散臭い男「いや~ごめんごめん、君のすぐ横におっさんがピタッ!って感じで引っ付いとったからさ。変態か幽霊のどっちかやろーな思てんよ。」


 進藤「いきなりなんなんすか?指さしてきて、失礼にもほどがあるでしょ。」


 笠田「おっさんすげーな!幽霊見えるん!?」


強気に出た俺の横からバカ(笠田)がさえずる。


 胡散臭い男「一応これ持っときーや。」


フル無視して俺の鞄に小さな何かを投げ込んできた。


 進藤「ちょっ、何入れたんですか!?」


今日鞄の中身を片付けようと思っていたため、なかなか入れられたものが見つからない。


 笠田「ええな、俺にもなんか頂戴や。」


 胡散臭い男「君はあげんでも大丈夫やから気にせんでええで。」


 進藤「・・・あかん見つからん、ってかあいつどこ行きよった!?」


 笠田「ゴミステーションの方に歩いていきよったで。」


笠田に言われてすぐに後ろを振り向く


 進藤「いや、早すぎやろ。数秒しかたっとらんで。」


笠田と駅で別れて家に帰った進藤だったが、家に帰った後も鞄に入れられた何かがまだ見つからず探していた。


 進藤「あかん、全然見つからへん。」


ふと時計に目をやる。


 進藤「もうこんな時間か、しゃーない、諦めて寝よ。」


寝てから数時間が経ったころに、急に目が覚めた。


 進藤「なんや、なんか変な時間に目が覚めてもうた。とりあえずお茶でも飲みに行くか。」


 進藤「!!」


 進藤「体が動かへん!?」


 進藤「これが金縛り言うやつか、初めてなったな。」


 進藤「でも金縛りって科学的に証明されてたはずやし、どうってことないやろ。」


ふと視界に動くものを視認する。数秒遅れてそれが教授だということに気づく。


 進藤「は!?なんであの薄らハゲ俺の部屋ん中におるねん!?」


身体は動かないのに汗が流れる。

教授の手が俺の額に触れようとするその瞬間、荷物を置いているところから物音が聞こえた。


 進藤「どうわぁっはぁ!?」


日本語とは思えないような驚きの声があがる。

カーテンからは光がこぼれていた。


 進藤「俺、え、どうなって・・・」


自分の身に起こったことをなんとか整理し、納得しようとする。

そこで進藤はあるモノを思い出した。


 進藤「(せや、あの落語家が入れたモノになんかあるんかもしれん)」


鞄をひっくり返し床に落ちた教科書を退かす。

その中から、昨日は見つからなかったはずの名刺と名刺の裏にセロハンテープで固定している白い何かを見つけた。


 進藤「なんやこれ、白いのは・・・きしょ!爪やんけ!」


驚いて一度名刺を放る。

手から離れた名刺をもう一度手に取り、書いてある文字と番号を読む。


 進藤「解決屋?なんだそれ」


 「なんでも解決、ご相談料は無料!」と名刺にデカデカと書いてある。


 進藤「いや、さすがにこれはないだろ・・・」


そういいながらもスマホに連絡先を追加する。


 「プルルルル プルルルル」


ワンコールでは出ない


 「プルルルル プルルルル」


ツーコールでも出ない


 進藤「(やっぱ変なやつに聞くよりも病院行くか。)」


進藤が電話を切る寸前、スマホから聞いたことのある眠そうな声が聞こえる。


 胡散臭い男「はぁ、こちら解決屋です。」


 進藤「すみません、もしかして昨日の男の人ですか?」


 胡散臭い男「ああ、昨日の学生君かな?」


 進藤「そうです、ちょっと聞きたいことがありまして。」


 胡散臭い男「焦ってると思うし、とりあえず外で待ち合わせしようか。」


進藤と胡散臭い男は駅から5分程度のカフェで待ち合わせをした。


 進藤「(あの人遅いな、約束の時間からもう10分経ってんぞ。)」


 胡散臭い男「いや~、最近のかふぇって難しいね。」


 胡散臭い男「カタカナの横書きに弱くてさ、僕。」


胡散臭い男は聞いてもいないことを遅れてきた当然の理由かのように話す。


 進藤「はぁ、そうですか。それで聞きたいことなんですけど。」


 胡散臭い男「家に出たおじさんと、名刺と爪についてだよね。」


 進藤「・・・そうです。あれはなんだったんですか!?」


焦りが今頃になって出てきたことで、語尾が強くなる。


 胡散臭い男「男の方は幼稚な嫌がらせやね。」


 進藤「嫌がらせ?」


 胡散臭い男「うん、初めて会った時も言ったけど、君おっさんになんかしたやろ。」


 進藤「いや、俺はなんも。それになんかした言うても悪口言うただけですよ?」


 胡散臭い男「1回言うただけやないやろ。」


 進藤「・・・そういや笠田のやつ1回目の授業以降、ハゲやハゲや言うてた気が。」


 胡散臭い男「やっぱかー」


 進藤「やとしてもなんで俺なんですか!?」


 胡散臭い男「笠田君やっけか?その子の方は異常に守護霊がつよかってん。」


 胡散臭い男「せやからたまたま近くにおって仲のよさそうな君に憑いたんちゃうかな。」


 進藤「ほぼ災害みたいなもんてことですか」


 胡散臭い男「理解早いなー君、そういうことやね。」


 胡散臭い男「災害言うても対策方法はあるから、そこまで怖がらんでもええよ。」


 進藤「その対策が爪と名刺ってことですか?」


 胡散臭い男「君ホンマに理解はようて助かるわ。みんなここらへんの話は素直に飲み込まれへんからなー。」


 進藤「俺だって半信半疑ですよ。でも体験すればいやでも信じてしまうでしょ。」


 胡散臭い男「いやーそれでもやで。そんで爪と名刺やけどな、名刺は普通のや。」


 胡散臭い男「ちょっと普通のとちゃうのは爪や。あの爪にはな、僕が護るって言う呪いを掛けてるんや。」


 進藤「護るのに呪い、なんですか?」


 胡散臭い男「まぁそうや、なんかそうらしい、正直僕も詳しくは知らんしそこまで興味ない。」


 進藤「そうなんですね、今回は有難うございました。」


 胡散臭い男「なにがや?」


 進藤「いや、助けていただいて。」


 胡散臭い男「いやまだ終わってへんで。」


 進藤「・・・まだ?」


 胡散臭い男「そう、まだや君に憑いてんのは生霊やのうて嫌がらせ用の呪法や。」


 進藤「お金をいくら払えばそれを取ってくれるんですか!?」


 胡散臭い男「なんやいきなり金の心配かいな。君学生やし学割でただにしたろ。」


 進藤「そうなんですか?壺とか買わなくていいんですか?」


 胡散臭い男「君、僕のことなんや思てるねん。」


胡散臭い男が進藤の肩を軽く叩く。


 胡散臭い男「ハイ!これで終わりや。」


 進藤「えっ!?こんなんでいいんですか!?」


 胡散臭い男「意外やろ?でも力量に差があればこんな感じなんやで。」


 胡散臭い男「お相手さんもそんなに強い呪法やなかったしな。」


 進藤「案外すごい人なんですね、舐めててすみませんでした。」


 胡散臭い男「君も案外えぐいな。」


 胡散臭い男「そや、運転てできる?」


 進藤「はい、免許もってるんでできますけど。」


 胡散臭い男「君さ、金欠なんやったら僕のとこで助手として働かへん?」


 進藤「・・・時給は」


 胡散臭い男「1800円は出せるで。」


 進藤「いつから行けばいいですか?」


 胡散臭い男「おっしゃ!決まりやな!明日から早速頼むで!」


 胡散臭い男「でも君学校は大丈夫なんか?」


 進藤「大学は春休み入るんで、それに内の大学春休み3か月近くあるんですよね。」


 胡散臭い男「最近の大学ってすごいんやな、てかお互いまだ名前知らんな。」


 進藤「俺は進藤 武彦、歳は19です。」


 来屋「ええ名前やな。僕は来屋 御霊、21歳やで。」


 進藤「えっ、20代後半か30代前半か思いました。」


 来屋「・・・助手の件、やっぱなしでええかな?」


 進藤「冗談ですよ、3割ぐらい」


 来屋「まぁ、僕の助手やったらそんぐらいでちょうどええかもな。」


こうして俺、進藤 武彦は、出会いがあったであろう大学生活の一部を、時給1800円の助手として棒に振るのだ。


私が気づいていないミスがあるかもしれません。

あったらすみません。

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