†Magic Doll Who Know
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†Magic Doll Who Know
「本日からこの学校に通うことになった者を紹介しよう」
入って来なさいと先生の言葉と共に扉を開け教室に入る私
このクラスの全員が一斉に私の方へ向き視線が集中する
「今日から新しくこのクラスに入ることになった中善寺だ」
「はじめまして、中善寺美保です」
先生の紹介に合わせてベタな挨拶する私。しかし誰もそれに
返事をしてくれない。ちゃんとお辞儀もした筈なのに何故だろう?
そんなことを考えながら周りの表情を見てみると固まっていた
どうして皆はそんなに顔を引きつらせているのか?訳を聞きたい
私は何処を間違えたのだろう?何がいけなかったのか?それを
ちゃんと教えて欲しい。けれど教えてくれる人は誰もいなかった
ある日、隣のクラスと合同の授業をすることとなった。その際
同じクラスの人達が私についてどう思っているのかを知った
「あいつ、どんな時も無表情なんだぜ」
「何を考えているのかさっぱり解らないし」
「転校初日の時も挨拶の際に笑顔の一つもなかったの……」
『嗚呼、そんなことか。』と思った。昔から私の顔はこうだっだ
嬉しい時も悲しい時も怒っている時も何であっても表情に出ない
ただ無表情に見えると周りは云う。実際に私が鏡で見てもそうだ
だから自分を表情筋が固いただのムッツリなのだと私は考えていた
でも周りは私とは違いそれを常に恐れた。得体が知れないからと
「ポーカーフェイスって奴かな?」
「いや、中善寺のそれは次元を越えてる」
隣のクラスの女の子が会話に入ってきたのに対しそう返した男子
元々、好きで無表情でもないのだがそう解釈も出来るのかと思い
彼女の方を気付かれないようにこっそりと見る。何かを探していた
それも中々見つけられないようでごそごそとバックを漁っている
他の皆は次々と教室を出て行く中、彼女と私だけが残る結果に……
「うーん、ジャージの上が見つからないな~」
彼女の探していたものはジャージだったのか。それだったらと私は
上着を貸してあげようと思った。初夏なので皆は上着を着ていない
その為、すぐに気付くことは出来なかったが別に貸してあげても
私には何も問題はなかった。大体、今日の授業は見学だったので
教室から移動することは禁じられているに等しい。精々、窓から
外を眺めるだけが役割である私より彼女が使ったほうが役に立つ
「だったら私のジャージの上着を貸してあげましょう」
「え?いいの?授業は大丈夫?」
『どうせ、私は見学なので貴方の役に立ててください』と云うと
彼女は、はにかみながら『ありがとう』とお礼を云って教室を出た
ジャージの種類は男女共通のものであり特に表面には名前について
明記はされない。書かれているのは裏側なので誰も借り物だとは
気付かないだろう。その点においては彼女も安心している筈
「しかし……少し顔が熱いですね」
そう云って私は頬に手を寄せた。心なしか耳も少し熱い気もする
もしかして自分が礼を云われたことに照れているのだろうか?
まさかな……とは思いつつもその日の授業から気が付けば彼女の
背ばかりを見つめていることで私はこれが恋なのだろうかと思った
上着を返却された時も彼女は笑顔だったことを覚えている。そう
彼女だけが周りとは違い私にも対等に接してくれる。それが嬉しくて
内心だけこっそりと思いを呟いてみる。『愛していますよ。璃羽』と
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