出会いの始まり
生まれた時から魔力のない少年はスラム街で育ちとある男に養子として迎え入れられる。
ある日少年は...
この世界は魔力で溢れている。
この世界には魔術がある。
魔力がないものは魔術が使えず虐げられる。
そういう運命なのだ。
僕の名前は、アルン。
突然だが僕には魔力がない。
生まれたときからだ。
この世界では、魔力を持っているかどうか6歳までわからない。
それは何故か?
6歳までなら魔力が後天的に発現することがあるからだ。
しかし僕には魔力がなかった。
魔力を持たずに生まれた僕は幼子にして父母に家を追い出されスラム街で彷徨いながら暮らしていた。
そんな生活を始めてから数年が経過した。
ある日のこと、僕の人生を変えることが起こったのだ。
その日、僕はいつもの様に生きるために食べ物を探していた。
今日はやけに騒がしい。何があったのだろうか。
何があったのか気になった僕は騒ぎの中心地に向かった。
だが、そこに映ったのはスラム街の人たちが何かから逃げている様子だけだった。
どけ!
と突き飛ばされ僕は地面に倒れ伏した。
だが、その時火の玉が逃げ惑う人達向けて放たれ焼き殺されている。ついさっき僕を突き飛ばした人も同様に死んでいた。
僕が火の球が飛んで来た方向を向くと、白い十字架の模様がある黒フードを被った者が立ってこちらを見ていた。
黒フードを被った者は僕に向けて火の球を放とうとしたが
やめるんだ!相手は子供だぞ!
だからなんだ?
これは政府直々のスラム街に住む者たちへの伝令だ。
殺せという伝令だ。
命令に背けば死ぬのはお前だ。
知るか!その子供を俺が養子として迎える!これなら問題ないだろう。
勝手だな。だが良いだろう。こいつは見逃してやる。
こいつを連れてさっさとここから立ち去れ。
死ぬぞ。
わかっている。
君!着いておいで。
意味がわからなかった。
僕を養子に?魔力のないこの僕を?
そして僕は言われるがままに男に手を引かれ着いて行くことにした。
君。名前は?
アルン。僕の名前はアルン。魔力はない。
アルンか。良い名前だ。
流石に魔力がないことを知れば養子になどしないだろう。
アルン。今日から君は私たち家族の養子だ。快く迎え入れよう。
何故だ。この人は何故僕に魔力がないとわかっても養子にしようとするのだろう。
聞いていたのか?僕には魔力がないんだ。それなのに何故。
関係ないさ。魔力があるかないかの話じゃない。私は理不尽が嫌いなんだ。だから命令には背くし。気に入らなければ真っ向から叩き潰す。何より私の妻も魔力がないからね。ただそれだけの簡単な話しさ。
驚いた。魔力がないことによってどん底だった僕の人生に一筋の光が見えたからだ。
貴方の名前を聞いても良いですか?
勿論だ。私の名はハルト・ホープだ。
これからよろしく頼むよ。アルン君。
初めて投稿するので忖度のない意見をお願いします。