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海鮮巻き寿司とカレーライスだよ


 わたし達はおばあちゃんのテーブルにテーブルをくっつけ賄い料理を並べ腰を下ろす。


「わ~い、美味しそういただきま~す!」


ミケは早速海鮮巻き寿司に手を伸ばし口に運んだ。


「う~ん、サーモンの脂の乗りがよくてめちゃくちゃ美味しいにゃん。それにマグロも美味しいにゃん」


ミケはほくほく顔で海鮮巻き寿司を頬張っている。そして、サバの巻き寿司にも手を伸ばす。


「うふふ、お嬢さんは幸せそうに食べるわね。見ているわたしも幸せな気持ちになるわ」


おばあちゃんはミケの食べている姿を目を細め眺めている。


「わたしね、お魚大好きにゃんだ。あ、カレーライスも好きですよ~」


「なんか猫ちゃんみたいで可愛らしいわね。そうだわ、カレーライスも食べなくちゃ」


おばあちゃんは、言いながらご飯にカレーがかかっている部分をスプーンですくい口に運んだ。


「わっ、美味しいわ」


おばあちゃんはほくほくな笑みを浮かべた。


「あ、店員さん達も食べてくださいね」


おばあちゃんはスプーンをお皿に置きミケ以外のわたし達の顔に目を向け言った。


「はい、ありがとうございます。では、真歌さん、ムササビ食べましょうか。いただきます」


「はい、いただきます」

「いただきま~す」


わたし達も海鮮巻き寿司に手を伸ばした。



 脂の乗った分厚いサーモンが口の中でとろっととろけ、さっぱりしたマグロと良く合う。もう堪らない。身体中に幸せが行き渡る感じだ。


「美味しい~幸せ~」


わたしは思わず感嘆の声を上げる。


「うん、美味しいな~何個でも食べられるよ」


ムササビも笑顔で海鮮巻き寿司を頬張っている。


そんなわたし達に視線を向ける高男さんも美味しそうに海鮮巻き寿司を頬張っている。


なんだか幸せだな。みんなで食べると美味しさも倍増しちゃうよ。脂の乗ったサーモン入りの海鮮巻き寿司を堪能し、それからわたしとミケが協力し合いながら作ったカレーライスを食べよう。


うふふ、わたしは笑顔でスプーンを手に取る。そして、ご飯にカレーがかかっている部分をスプーンですくい大きな口を開けて食べる。


うん、美味しい。具のじゃがいもとにんじんもカレーと一緒に食べる。シンプルなカレーライスは幼い日を思い出す。


お母さんに『何が食べたい?』と聞かれ『カレーライス!』と即答したこともあったな。懐かしい記憶がぶわーっと溢れよみがえってくる。


幼き日もそれなりに悩みもあったけれど、今思うとなんでもないことだったな。そんな懐かしい日々を思い出していると涙が出そうになった。

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