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一緒に食べよう

「ねっ、わたしの言った通りでしょうにゃん」


ミケはふふんと得意げに胸を張る。そんなミケの口の周りにはヨーグルトがべったりとついたままだけどね。だけど、ミケのおかげでバトルを回避できた。


「うん、確かに美味しかったよ」


モモコは紙ナプキンで口の周りを拭きながら言った。その紙ナプキンをミケにも分けてあげてください。ともあれめでたしめでたしかな。


さて、ムササビはと目を向けると口元を緩めてモモコとミケのやり取りを見ている。きっと、喜んでもらえて嬉しいのだろう。


「お客さん、トマトスープも冷めないうちに飲んでください」


黙ってみんなのやり取りを見ていた高男さんが言った。


「あ、トマトスープも飲まなくちゃこれを楽しみにしていたんだ~」


モモコは、再びスプーンを握りトマトスープを食べた。


「う~ん、トマトの爽やかな酸味と豚肉の旨味にキノコ類の食感がもう最高だよ~」


モモコは満足げに微笑みを浮かべた。


やっぱり高男さんの料理は人を(動物? あやかし?)を幸せにするんだなと改めて実感した。


「お客さんトマトスープとフルーツヨーグルトに満足して頂けましたか?」


「はい、めちゃくちゃ美味しくてほっと癒されました。あ、このご飯も美味しい~」


モモコは答えながら山盛りご飯をそれはもう美味しそうにパクパク食べている。


「お客さんはどうやら大満足してくれたみたいですね」


高男さんがわたしの顔を見てニヤリと笑った。


「はい、めちゃくちゃ幸せそうな表情ですもんね。良かった~」


わたしもニンマリと笑う。


そして、高男さんはミケに視線を移し「ミケちゃん大活躍だよ」と言ってその頭を撫でた。


「にゃはは、そっかな。わたしってば大活躍だね」


頭を撫でられたミケはちょっと照れたように笑い頭を掻いた。


一方ムササビは美味しそうに山盛りご飯を食べているモモコを指をくわえじっと見ている。


「美味しそう……」


ムササビはぽつりと呟いた。


「そうだ、ムササビ、お客さんと一緒に食べたらどうだい?」


「え!? モモコと一緒に!」


振り向いたムササビは目を大きく見開きびっくりしているようだ。


「そうだよ。モモコちゃんと一緒に食べるときっと美味しいぞ」


高男さんは柔らかい笑みを浮かべムササビを見ている。


「そ、そっかな?」


ムササビはチラリとモモコを見た。



モモコは顔を上げじっとムササビを見ている。その目は何を言おうとしているのだろうか。わたしはドキドキしながら二人の様子を見守る。


「座ったら」

「え?」

「だからここに座ったら」


モモコは目の前の席を指差し言った。


「え? いいの?」

「うん、どうぞ」

「じゃあ座ってあげるよ。高男さん、わたしのご飯を運んできて~」


「おいおい、ムササビ俺をこき使うのかよ」


高男さんはそう言いながらも笑顔だ。きっと、ムササビとモモコが同じテーブルを囲んでいるのが嬉しいのだろう。


「お待たせ」


高男さんがムササビの目の前に小皿に盛り付けられたトマトスープとフルーツヨーグルトにそれから山盛りご飯を置いた。


「わっ、美味しそう~」


ムササビは目をキラキラ輝かせている。


「あ、そうだ、モモコちゃんこれサービスです」


高男さんはモモコの目の前にリアルティがある天狗の顔の饅頭と湯気の立った緑茶を置いた。


「わっ、美味しそう~天狗だ~」


モモコは天狗饅頭を手に取り喜んでいる。


「あ、いいな~わたしも食べたいな」


ムササビはモモコが手にしている天狗饅頭をじっと眺めた。


「はい、ムササビもどうぞ。食べたいなって言うと思っていたよ」


高男さんはムササビの目の前にも天狗饅頭を置いた。


「わ~い、やった~」


ムササビは満面の笑みを浮かべ天狗饅頭にかじりつく。


「あ、わたしも食べよう。いただきま~す」


モモコもムササビと同じように天狗饅頭にかじりつく。やっぱりこの二人は似た者同士だな。


「さてさて、真歌さんにミケちゃん俺達も頂くとしましょうか」


高男さんは木製の大きな四人掛けのテーブル席を指差した。

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