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石丸市長が往く 安芸高田死闘編  第7回 認定こども園(前編) 努力したから反対? 2023年3月、12月

作者: シンキ ジン

石丸市長が往く 安芸高田死闘編 

第7回 認定こども園 努力したから反対(前編) 2023年3月、12月


1)令和5年(2023年)第1回(3月)定例会

・吉田町にある2つの保育園が土砂災害警戒地域にあり、かつ老朽化が進んでいるため建て替えの構想案を、執行部が提案。

→「認定こども園基本構想」の迷走の始まりでした。


・議会は、以下の主に3つの理由で反対します。

①移転先の旧田んぼアート用地は吉田町から、5.2km離れており、送迎などの利便性が落ちる

②一つの小学校区に、一つ以上の幼稚園(保育園)の設置の原則に反する。

③移転先にある幼稚園の民業圧迫となる。


・この問題は、非常に複雑で、まず田んぼアート用地が現在、赤字を垂れ流していた負の遺産のわけです。執行部としては、ここを公園として整備したいのですが、そこに幼稚園も併設するハイブリット型にして、コストも抑えたいわけですね。

・南澤議員は他に候補地があるだろうと質問しますが、石丸市長から、ならば「議会で調査しては」と突っ込まれていました。

・執行部は、まず基本構想を作って市民に説明したいと主張しますが、移転が前提では、反対だと議会は主張します。


・議論は堂々巡りの無限ループに嵌り、結果、「認定こども園基本構想」は議会により否決されます。



2)令和5年(2023年)第4回(12月)定例会

・市長(執行部)、「認定こども園基本構想」案を再度提出


 市長は「認定こども園基本構想」案を再度提出しました。3月の時とほぼ同じ内容で、吉田町の3ヶ所の幼稚園(保育園)を統合して、田んぼアート用地に移転する場合の基本構想作成でした。

 南澤、田邊、芦田議員は、吉田町内にある常本住宅跡地に移転を主張します。市長は、常住宅跡地だと、国道からの道路や整備やなども必要となるし、常友住宅はこれから跡地になる予定で、現在は入居者がまだいる状態です。また、旧田んぼアート用地の公園と認定こども園とのハイブリット型にして、コストを抑えたいと主張します。

 予算制約がなかったら、おそらくですが、常友住宅跡地に移転や、常友と旧田んぼの2か所での移転など、どうにでもなりますね。しかし、安芸高田市は、石丸市長が就任する前は、5年連続の赤字だったわけですね。しかも、人口は3万人を割ってしまっていて、本来なら市を名乗ることもできない小規模な自治体なわけです。

 市長からすれば、やっと黒字化したのに、元の無駄使い体質に戻る気かよ、といい加減にしろって気になりますね。田んぼアートなんて、バカな事業を始めていて、その後始末をする身にもなれって、言いたい気分ではないでしょうか。

 議論は堂々巡りを繰り返しますが、南澤、田邊議員は賛成に回ります。まあ、財政上の問題と言われれば、すっと反対ってわけにもいかないでね。ない袖は振れない、わけですから。

 ところが、ここで芦田議員が、強硬に反対を主張するわけです。芦田議員は無所属の中間派と目されていました。市長憎しみたいな個人的感情では動かいない、良識のある議員という印象でした。

 芦田議員は、吉田町から幼稚園をなくすわけにはいかないと強硬に主張します。

 討論では、熊高議員から、「吉田町内には適当な土地があるか」と問われると、芦田議員は「常友住宅跡地がある」と答えました。続いて、熊高議員が「執行部は、常友は適当ではないと説明し、自分も納得したが」と問います。それで芦田議員が答えたわけですが、「代替地を捜し、執行部にも提案した。私は精一杯の努力をしました」と返したわけですね。

 その後に熊高議員が「(芦田議員の提案は)執行部を動かすだけの材料になってない」と、やんわりと指摘しました。しかし、芦田議員は頑なになっていて、聞く耳持たないという感じでした。

 「努力したから反対」って、なんかすごい発想というか、仮にそうは思っても、それを口にして主張するのって、有りなのでしょうか…


 たいていの組織では、何か失敗したときに「頑張ったのですが…」とか「努力しました」なんて言い訳したら、「努力はいいから、結果を出せ」などと、冷たく言われる気がするのですが…


 結局、「認定こども園基本構想案」は、またも否決となったわけですね。

芦田議員の地元は吉田町でして、単に地域エゴで反対していると思ってしまうのですが…



*法律上の市の要件は、人口では5万人以上(他にも要件は有ります)

 ただし、合併時ならば、3万人以上という特例措置があった。(時期により4万人以上)

安芸高田市(合併は平成16年)

平成16年(2004年) 人口:約34,400人 高齢化率:30.8%。

令和5年 (2023年) 人口:約26,700人 高齢化率:40.6%


*田舎館村の田んぼアート

 青森県田舎館村が取り組んでいる町おこし事業。1993年開始、現在では7色の稲を使い田んぼに緻密で美しい絵を描きます。そのクオリティは非常に高く、マスコミなどにも取り上げられ、人口8千人の村に年間40万人を集客する一大イベントとなっています。

 昨年(2023年)は、ワンピースのルフィ(ギア5・ニカ)だったのですが、さすがのクオリティでした。

 事業は拡大して、2013年には第2会場近くに「田んぼアート駅」という専用のものが、開設されています。また、第2会場は、道の駅「いなかだて弥生の里」なんですが、田んぼアートを見るための立派な展望台が設置されています。さらに、この道の駅ですが、農産物直売所やレストランはもちろんのこと、家族向けのミニ列車やゴーカートなどのアトラクションも併設されています。

 そこに、昨年はワンピースのルフィ(ニカ)ですから、これは、自治体と思えないほどの、商売上手だとの印象を受けました。

 ちなみに第1会場は村役場の展望台(お城)から見ることができまして、昨年(2023年)のテーマは棟方志功の版画と、フェルメールの「真珠と耳飾りの少女」でした。


 田舎館村は30年を超える田んぼアートに取り組んだ歴史があります。その間、3色の稲を7色の稲に増やし、遠近法や測量技術を取り入れるなどの技術革新に努めて、田んぼアートのクオリティを飛躍的に高めました。また、第2会場を増設するなど、少なくない資金を投じてハードの面での充実も図ってきました。

 安芸高田市がこれから同じ道を歩むのは、なかなか難しいかなと思います。

 二匹目のドジョウを狙うのは難しい、ということでしょうか…


 蛇足ですが、来年の第2会場はジャンプ繋がりで「鬼滅の刃」と予想しています。


                           (2023/3/10)



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