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完結●断罪終了後に悪役令嬢・ヒロインだったと気づきました!詰んだ後から始まる逆転劇  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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46:エピローグ~リリアン~

マリーとお茶会をして以降。

あたしの皇太子妃教育はすこぶる順調になった。

なぜなら。

一度皇太子妃教育を経験したマリーがあたしのサポートについてくれたのだ。正式に皇室からの依頼を受け。週に5日間。みっちりサポートしてくれた。


マリーが私のサポートにつけるよう尽力してくれたのは勿論、スコット皇太子だ。本当に献身的に尽くしてくれる。それはそれだけあたしと結婚したいと思ってくれているからであり……。


あたしは恋愛経験が薄くて、知識も偏っていたからだろうか。恋愛は自分が恋に落ちて、好きになった相手を追っかけるものだと思っていた。でも誰かに好きになってもらって、こーんなに好きな気持ちをアピールされるのも……幸せなんだなぁと最近知った。


つまり。


あたしはかなりスコット皇太子のことが好きになっている。このまま皇太子妃教育を終え、結婚するんだろうなぁと思うようになった。


だから。


夏の間、何度も街で行われているサマーフェスティバルに連れて行ってもらった。お忍びで。すごく楽しかった。特設会場でスコット皇太子とダンスしたら、なんだか「ベストカップル賞」みたいなものをもらってしまったし。移動演劇団による公演は、マリーとデレクと、あたしとスコット皇太子の四人で観劇したりもした。


そして。


打ち上げ花火を見に行った時。初めて。スコット皇太子とキスをした。あれは……本当にロマンチックだった。あたしとキスをできたスコット皇太子は感動で涙を流していた。これにはビックリだ。あんなにハンサムなのに。キスの経験がゼロだったなんて……。マリーがどれだけデレクを好きだったかも分かるわけで。


そんな感じで夏を満喫しながら、その一方で、結婚式に向けた準備も進められた。ドレスの生地とレースは既にマリーが選んだ物があったので、それでデザインをしてもらった。マリーが選んだものだから間違いはないと思ったが。提出されたデザインはホント、素敵な物だった。他にも身に着ける宝石とか、パンプスとか、祝賀晩餐会と舞踏会、パレードetc……。ホント、そちらをいろいろ選ぶのも大変だけど。厳しい皇太子妃教育の息抜きになったし、あたしとスコット皇太子のために大勢が動いてくれていると思うと……。頑張ろうという気持ちになれた。


乙女ゲーム『夢見るドールは恋を知る』の世界に突然転生することになり、前世の記憶はとんでもないタイミングでよみがえったけれど。終わり良ければ総て良しだと思う。


悪役令嬢マリーとも大の仲良しになれたしね。

うん、間違いない。

あたしはとってもハッピーなヒロインだ!



結婚式は。

本当に緊張する。

何せ。

前世でJK、すなわち女子高校生でこの世界に転生してきたわけで。そして初めて恋人……というか婚約者ができて。しかも相手はこの国の未来の皇帝陛下。その彼との結婚式なんだもん。


盛大だし、招待客は多いし、街をあげてのお祭り騒ぎで……。


でもマリーはあたしのブライズメイドを買って出てくれて。本当に式の前から当日まで、いろいろサポートしてくれた。サマーズ家には弟が二人いるけど、姉はいない。でもマリーは間違いない。あたしにとってはお姉さんみたいな存在だ。


「リリアン、大丈夫。自信をもって。あなたはヒロインなのだから」


マリーに励まされ、ウェディングドレスを着たあたしは、扉が開くその時を待っていた。もう心臓がバクバクして、ブーケを持つ手も震えている。隣に立つ父親も緊張が移ったのか、さっきから無言で少し震えていた。


どんなに緊張して、無理と思ってもその時は来て――。


後はもう怒涛の勢いでいろいろなことをこなした気がする。

祭壇の前に立つスコット皇太子は。

もう例えようのない程ハンサムだった。

白のタキシードがあんなに似合う男子っているだろうか?

体力作りと日々の運動で完璧な細マッチョに生まれ変わったスコット皇太子は、タキシードを完璧に着こなしていた。美しい蒼いサッシュとマントも本当に似合っている。


シュッとしてスラリとして、ホント、見惚れてしまう。


その後は……。


誓約書へのサイン、司祭の尊い言葉を聞き、誓いの言葉と指輪の交換も行い、そして……。


「リリアン。本当に皇太子妃教育、頑張ったね。わたしの妻になるために、頑張ってくれて、ありがとう」


本当に。

二人だけに聞こえる声で。

優しくそう言った後に。

誓いのキスを交わした。


この時は本当にもう――。


感無量だった。

一瞬で頑張った日々が頭によみがえり。

同時に。

スコット皇太子と時間を見つけて行ったデートも思い出されて……。


泣いちゃうよね。当然。

そんな私の涙をスコット皇太子は自身のハンカチで何度も押さえてくれて。


その後のパレードも、各国招待客の挨拶も、祝賀晩餐会と舞踏会もちゃんとこなしたからね。


そう。

ちゃーんと無事、皇太子妃になれたんだ!


乙女ゲームにヒロインとして転生したあたしは。とんでもない瞬間に前世の記憶を思い出した。さらにヒロインであるリリアンとして、一度は地下迷路に閉じ込められ、死ぬかもしれない恐怖を味わったけれど。見事、ハッピーエンドを迎えることができたのだ。


これは「めでたし、めでたし」だよね!

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