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9話 週刊誌記者と接触



「す、すいません!ちょっとお話伺ってもいいですか?」




 あ、終わったわ。

週刊誌の記者に話しかけられる。



「は、はい?」



 声を震わせながら聞き返す。

ガクガクに体を震わせて振り返る。

まさか本当に凛と付き合ってることがバレたのか?



「私は週刊誌の記者をやっているものなのですが・・・」



 そう言って名刺を渡してくる。

名刺には、



「週刊スクープ○○部 記者 白川七瀬」



 と書いてある。

やっぱりこいつだ。

絶対凛と付き合ってるのバレた!

どういう関係なんですか、とか聞かれるんだ!

明日のニュースは凛の熱愛でいっぱいだ!

絶望に打ちひしがれていると、白川が口を開いた。



「ここらへんの方ですか?」


「え?・・・そ、そうですけど」


「そうですか、このマンションの前で誰か芸能人とか見たことあります?」



 あれ?凛のことじゃないのか?

それに俺のことも気づいていないみたいだ。

でもやべぇな。

1度はこいつに顔を見られている。

マスクはしているが、目元でバレるかも!

目を細めて別人を装う。



「な、ないですね〜」



・・・ちょっと探りを入れてみるか。



「マンションに何かあるんですか?」



 それを聞いた白川のテンションは爆上がりし、

楽しそうに話し始める。



「実はですね。このマンション・・・芸能人がいっぱい住んでるんです!」



ふんふん言って興奮している。



「へー、た、例えば?」


「俳優の○○さんとか!あとは人気アイドルも住んでるって噂もあります!」



 絶対凛のことだろ。

っていうかあの俳優ここに住んでんのか!?



「すごいですね!それであなたは何をしてるんですか?」


「私は記者ですから、このマンションの前に張り込んで芸能人のスクープを撮ってやろうという魂胆です!」



 そんなことするんじゃねぇ!

楽しいか!そんなことして!

このまま張り込まれていたら凛がここに住んでいるのがいつかバレる!

そうしたら俺は一生外に出れなくなるぞ!


 ・・・ちょっと待てよ、記者と仲良くなれば逆に撮られないんじゃないか?

こいつと仲良くなれば俺が凛と関係あると疑われることはなくなるかも!

攻撃こそ最大の防御!



「それはすごいですね!それはそうと実は僕、このマンションに住んでるんですよ!」



それを聞いた白川が目をひん剥いて驚いている。



「ほ、本当ですか!?このマンションに住んでる人の話を聞けるのはやばい!ぜ、ぜひ色々お話し聞かせて下さい!」



ものすごい興奮のしようだ。



「さっき言ってた俳優さんも見たことありますよ」


「本当に!?」



見たことないです。



「はい!でも人気アイドルが住んでるってのは聞いたことないですね〜。ここには住んでないんじゃないかな?」


「そうなんですか・・・」



白川が残念そうな顔をする。



「毎日ここに張り込んでるんですか?」


「いえ!3日に1回ぐらいです!」


「張り込んでるのはあなただけですか?」


「週刊スクープでは私だけです。他の週刊誌は週末が多いですかね」



 よし、これで行動パターンがわかったぞ!

これで外に出てもいい時間がわかった!



「このマンションって一般の人も住んでると思うんですけど、どうやって芸能人ってわかるんですか?」


「オーラが出ていますから!あとファッションでわかります!芸能人はおしゃれですから!」



 なるほど。

凛に忠告しておこう。



「それじゃ僕はこのへんで、あんまり話しすぎると変に思われちゃうので」


「そうですよね!いっぱい話してしまってすいません!」



そう言って白川がペコペコ頭を下げる。



「何か芸能人のスクープがあれば私に電話してください!」


「は、はい」



 俺と凛のこと以外なら教えてやるよ。

マンションの中に歩き始める。

エントランスで振り返ると白川がこっちに手を振っている。

愛想よく手を振り返す。


 たくさん話してしまった。

まさかマンションの前に本当に張り込んでいるとは。

でもこれで週刊誌の行動パターンがわかったぞ。

週刊誌が張り込んでない時なら外に出ることができる!。

敵の懐に忍び込むとはまさにこのことだ!





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