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16話 情報漏洩には気をつけろ



 慌ただしい1日が終わった。

凛とソファーにヘタリ込む。


 肉体的には大丈夫だが、

精神的に疲れた。


 夜も遅いのですずちゃんは家に泊まることになり、

今は凛のベッドで寝ている。

お母さんには電話で凛から上手く説明したらしい。



「まさか、すずが家までくるとは・・・」



凛がビールを一気に飲んで言った。



「初めてじゃない?誰かに俺と凛の関係がバレたのは」


「うん、初めてだね」


「すずちゃん、誰かに言ったりしないかな?」



あの年頃の子はなんでも人に話したがるからな。



「大丈夫、あの子ベラベラ喋ったりしないタイプだから」


「そっか。にしても情報漏洩には気をつけないとな」



 今日で再度理解させられた。

いつ、どこから俺と凛の関係がバレるかわからない。

今時はネットもあるしな。



「ブログに写真あげる時も背景には気をつけないと。かーくんの物とか写ってるかもしれないし」


「ファンは細かく見てるからなー」


「そう!特に家で撮った写真は気をつけないと!洗面所に歯ブラシが2本あっただけで”なんで2本あるんだ!男のものだろ!”とか疑われたアイドルもいたよ?」


「マジか!怖いな・・・」



少しの違和感にファンは敏感なんだな。



「それに今は瞳に反射してバレたりするらしいの!」


「瞳?」


「この前ニュースでやってたの!自撮り写真の瞳に映った背景で自宅がバレたって!」



 そんな熱心に見る奴もいるのか。

ただのファンだからといって侮れないな。



「最近は自分から彼氏を匂わせるバカなアイドルもいるしね!」



 凛はお酒が回っているのか、

饒舌にアイドルの苦労を語り始めた。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「握手会でわざわざ文句言いにくる厄介なファンもいるし!どんだけ暇なんだよ!」


「まあまあ、落ち着いて」



お酒で完全に出来上がった凛をシラフの俺が横でなだめる。



「凛の話を聞いてると、アイドルって大変だな」


「大変だよ!表のキラキラした世界の裏には誰も知らない努力があるんだから!」



そうか、多くの人はその表しか見ずに全てを判断するからな。



「まあその分、普通じゃできない体験とか相応のお金ももらってるしね。それに感謝してやっていかないと」



凛なりに上手くバランスとってやってるんだろうな。



「そういえばアイドルの卒業時期とか決めてるの?」


「えー、まだ決めてない。一生ヴィーナスのメンバーでいられないかな」


「それは無理だろ」



 女性アイドルの多くは20代で卒業する。

それに10代の子も活躍している。


 考えればなんで男性アイドルは年を取っても続けられるのだろうか。

やっぱり女性アイドルは若さを売っているってことなのか?



「世代交代かー。ヴィーナスも若くて可愛い子いっぱいいるしね、油断してられないわ」



凛が鋭い目をして言った。



「凛はアイドルを卒業したら芸能界も引退するのか?」


「うーん、どうしよう・・・今のファン引き連れて、適当にファンクラブ作って金巻き上げて生活しようかな」



わお、ここに悪魔がいました。



「まあそれは卒業が近づいたら考える!今はかーくんの存在がバレずにアイドルやっていくだけ!」



凛が立ち上がって言った。



「だな。俺も外に出るのは控えるよ」


「え、外に出るのは控える?・・・まさか外に出てるの!?」



 まずい、口が滑った。

凛に黙って外出してることは秘密だった!



「違うよ!ベランダに出るってこと!ベランダでも週刊誌に撮られてる可能性があるだろ?」


「ああ、ベランダのことね」



危ない、もうちょっとでバレるところだった。



「そういえばすずのこと忘れてた。ちょっと様子見てくるね」



凛が寝室へ向かっていった。




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