りったんの夢十夜(第七夜)
夢を観た。
小説投稿サイトで知り合った人と現実の世界で会う約束をした。
お互いがわかるようにあるカフェの特定の席で落ち合う事にした。
約束の時間より一時間程早くカフェに着いた。
まだ来ていないだろうと思い、指定の席を見ると、すっかり禿げ上がった頭の、若く見積もっても七十代前半の男性が座っていた。
私が会う約束をしたのは、二十代の男性だ。流行の最先端の恋愛小説を書く今時の人。
たまたまその席に座っている別の人だと思った。
だが、約束の時間になっても、その人は席を立たなかった。
私は周囲を見渡した。すると別の席に若い男性が座っていて、老人が座っている席を何度も見ている。
あの人が私の会う人だと考え、老人に近づいた。
「すみません、この席で人と会う約束をしているので、席を替わっていただけませんか?」
無理を承知で頼んだ。老人は目を見開いて、
「貴女が律子さんですか? がっかりしました」
酷い事を言われたところで目が覚めた。