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魔銃使いとお嬢様  作者: 文月 鎌
第1発
13/114

子供と言えど、仕事はする

 俺がこのフーレン伯爵家の子供となって数日が過ぎた。


 足の怪我は完全に治り動きに支障は無い。


 伯爵家に到着してから数日間はルルかメーネさんがほぼ付きっきりで居たからろくに動けなかったのだ。


 そしてようやくメーネさんから動いても良いという許可が出たから俺は色々なことをしようと意気込んでいた。

 この家でお世話になるのだからせめて少しは働こうと思ったのだ。


 だけど何をするにもメイドさんがやってくれたりしてやることが無いのだ。

 多分、部屋を思い切り散らかしても片付けてしまうだろう。そんなことしないけど。


 あまりにも暇でさっき外で草刈りをしていたメイドさんを手伝おうと思って声を掛けたら何故かびっくりした様子で断られてしまった。

 何か変なところでもあったのだろうか。


 しかし、よく考えてみるとだ。俺の今の見た目は5歳程度だ。そしてその5歳の子供に何か仕事を任せようと思うか?

 ·········俺なら絶対に任せないな。


 いくら転生する前が20歳だったとしてもそんなことを言える訳もなく。


 そして俺は最後にバナークさんに頼み込んだ。

 どうにかして何かやることは無いかと頼み込んだ。


 すると、バナークさんは苦笑しながら一つ仕事を与えてくれた。


 それが今俺がやっている仕事である。


 その内容は───


「床の掃き掃除も終わり〜っと。次は棚の拭き掃除だな」


 ───納屋の掃除だ。


 俺がお世話になっているフーレン伯爵家の家の裏には大きな庭がある。今はそこの一角にある木造の納屋の掃除をしているのだ。


 俺はいろんな人に頼み込んで居たからそれなりに時間が経ってしまい、始めたのは昼前に近かったが。




「·········元の世界でバイトしてた時もそうだったけどこういう地味な仕事って嫌いじゃないんだよね〜って5歳が言うことじゃないか」


 俺は棚を拭きながら納屋にあるものを見ていく。


「なんかの金属球に小さなネジ·········

この紙袋に包まれているのは·········なんだこれ?でもなんかバッテンが書いてあるから触らない方が良いかもな」


 そんなことを思いながら俺は棚を拭いていく。

 

 小さなフックのような金具に長さが六十センチ程度の金属の筒、ボロボロの紙とかとにかくいろいろな物があった。それらを組み合わせれば、どこかで見たことがあるはずの物が出来るのにそれが思い出せない。


「なんかで見たんだよな〜。どこで見たんだっけ?」


 俺はその部品を何に使われるのかを考えながら掃除を続けた。




 

 そんな感じで掃除を続けてだいたい一時間程度、そろそろ昼ごはんかなと思い始めた頃だった。


「ん?なんだこれ?」


  掃除していた棚の奥に何か白くて長い物が置かれている。


 長さはだいたい1メートル弱程で途中で少し斜めに曲がっているようだ。



 手に取ってみると白い布で包まれていて白く見えたようだ。


 重さはだいたい五kgぐらいだろうか。結構ずっしりきて落としてしまった。


 ガンッ!


 金属が何かにぶつかったような音を立てた。


「金属の棒?」


 俺は徐々に包みの中身が気になってきた。


 精神はやはり見た目に影響されるのか子供的な好奇心が出てきていた。


 

「大丈夫·········だよな。すぐに包み直せば良いんだし」


 俺は誰かに断るように呟くとそっと白い布の結び目を解く。


「·········思ったより固いな。子供の体って結構不便かも·········」


 俺は少し苦労しながら結び目を解いていく。かなりキツく結ばれていてなかなか解けない。



 ·········よし、解けた。

 五分くらい掛けて解いたと思う。


 

「さてさて、中身はなんなんだ?」


 俺は謎の包みをそっと外していく。


 包帯のように巻かれていた布は思っていたよりも厚めに巻かれていた。

 


 そして布が少しだけ中身を見せた時、俺はその中身に驚愕することとなった。


「·········これは、もしかして『銃』か·········?」





次は13:00です。

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