29)レイナス村
明くる日。
リディアは、ジュードとジュリアン、ヘイゼルに付き添われて、ミモーズ川の河辺、レイナス村に向かった。
2年半ほど前。
ユギタリアがシュールデルに侵略された当時。
ユギタリアの民の多くはセイレス島に渡ろうとした。
海を渡れなかった者は隣国ジギタスや、ミモーズ川に船を出した。
川に出た船は、盗賊船や、ヴェルデスの警備艇と思しき船に攻撃された。
キルバニアの救援艇が救助したのちも盗賊船やヴェルデスの船が追ってきた。
ヴェルデスの追撃を振り払って難民たちを避難させるのに丁度良かった河辺の村がレイナス村だった。
レイナス村は、30年ほど前、地殻変動で魔素の森が広がり、魔獣の被害が増えて過疎化し空き家が多くあった。
キルバニアの救援艇の隊長は、ユギタリアの民に、
「村には空き家が多く仮住まいしやすいのでレイナス村に避難してもらうが、魔獣が多いので警備の兵を付ける」
と伝えた。
隊長は、
「魔獣には光魔法が効き、光魔法を当ててやるだけで逃げていく。
光魔法の使える魔導師殿がいたら協力をお願いしたい」
という説明も加えた。
ユギタリアの魔導師は、みな、光魔法が使えた。
魔獣の問題さえなければレイナス村は住みやすい村だった。
魔獣のせいで村民がほとんど村から出ていたので、空き家が多くあり修理すれば仮住まい出来る。
食料の支援と空き家の修繕に、キルバニアが州をあげて支援した。
セイレス島への移住を希望していた者の多くも、レイナス村に定住しようと思い始めているという。
「村ではキルバニアの言葉とユギタリアの言葉と、両方、話されています。
村民、約3200人のうち、3130人はユギタリア人ですから」
バゼルが熱心にリディアとジュードに説明した。
バゼルは、レイナス村までの案内に付いたキルバニア町役場の役人だった。
レイナス村関連の仕事はバゼルが担当しているという。
茶色い髪をきっちり撫でつけて、生真面目そうな茶色い目をした青年だった。
リディアとジュード、ヘイゼルは、バゼルとともにレイナス村に向かう馬車の中に居た。
ジュリアンは馬で併走している。
レイナス村までは2日で着く距離で、明日には着く。途中、魔素の森の近くで野営するが、ジュリアンとジュードとリディアがいるから問題ない。ヘイゼルも、ジュードほどではないが攻撃魔法と光魔法が使えた。
「レイナス村には70人しかひとが居なかったの?」
とリディアがバゼルに尋ねた。
「いえ、元は20人も居なかったんです。
狩人たちと薬師の家族たち、たった十数人ですよ。
廃村だったんです。
他の50人はキルバニア町長が派遣した家を修繕する大工たちや、魔獣が多いので警備の兵や、雑事を手伝う者と、それから村が復活したと聞いて近隣に移住していた元村民が戻ってきたり、です。
もう、2年以上経ってますが、まだまだ店や学校の建物を改善するために人手が要るんです」
「他に問題はありませんか?」
話を聞いていたジュードが口を挟んだ。
「今のところはそうですね。
ユギタリアの皆は、物静かで生真面目で、おまけに有能です。
ユギタリアの教師は、キルバニア語の会話教室なども適宜、開いてくれてましてね。
おかげで、言葉の問題もないんです。
レイナス村に元々残っていた住民はけっこう気の荒そうな魔獣の狩人たちとか、気難しそうな薬師とかばかりだったんですけどね。
いつの間にか自然と融和していて。
救援艇の隊長たちはかなり心配していたんですが、皆、普通に一緒に暮らしています。
私が思いますに、ユギタリアの産物はユヴィニだけと言いますが、あの優秀な人材も宝でしょう。
ユギタリアはシュールデルの間者に荒らされて、侵略される前にすでに国民の7割がセイレスに逃げていたそうですね?」
と今度はバゼルが尋ねた。
「そうです」
ジュードが頷いた。
「7割も・・そんなに?
でも、それで、大丈夫だったの・・?」
リディアは信じられない想いだった。3割しか国民が残っていなかったことになる。
「大丈夫ではなかったですね。
砂漠に畑を作る農家への助成金を国が止めてしまったので、みなセイレスに逃げたんです。
セイレス共和国は、建国のころから、ユギタリアの移住者がとても多い国ですから。
ユギタリアの親戚みたいなものです」
ジュードはリディアに、セイレス共和国の成り立ちを話した。
昔、セイレス島の西は、南は砂漠と岩山、北は魔獣の森が広がり、ひとが住めるところではなかった。
砂漠の小さなオアシスにわずかに少数部族が住んでいるだけだった。
セイレス島の西端辺りは酷すぎる環境のせいで、国が出来ては滅び、出来ては滅んだ。
200年ほど前。
シュールデルに侵略された小国の難民がセイレスに移り住んだ。
難民の船には、ユギタリアの魔導師の夫婦が同船していた。
夫婦は滅びた小国で教師をしていたが、手助けするために付いてきた。
魔導師の妻が錬金術スキルを持っていたので、海水を真水に変え、畑に撒き、小さな集落を作り暮らし始めた。
やがて、ユギタリアから土魔法の使える魔導師たちが手伝いにかけつけ、土地を持たないユギタリアの農夫の夫婦や家族も移り住むようになり、村は町になり、町は大きく広がった。
100年前、セイレスの砂漠の岩山で、鉄鉱石が見つかった。
その頃には、セイレス西部の町や村は、「セイレス共和国」と名乗るまでに大きくなっていた。
同じ頃、ズール石も見つけていたが、警備隊を作るまでは隠した。
セイレス共和国は、先祖にシュールデルに滅ぼされた国の難民がいるため、周辺国を警戒した。
実際、ズール石の鉱脈が見つかったと公表し、輸出を始めてから、シュールデルに唆されたキースレアが侵略してきた。
セイレスの魔導師の軍人たちが返り討ちにした。
リディアは、ユギタリアの皆がセイレス共和国に逃げたわけを知った。
「セイレスは、公用語もユギタリア語で豊かな国です。
ユギタリアで暮らせなくなったら、みな、セイレスに移住しました。
我が国は、侵略される前にほぼ崩壊して、風前の灯火でした」
リディアは言葉を失い、バゼルは首を振った。
「シュールデルは愚かな国ですよ。
すでに、ユギタリアの宝は消えてたわけです。
おまけに、ユヴィニも、王子王女らを抹殺して採れなくなった。
いったい、なにがしたかったんですかね。
殺戮が趣味だったんでしょうか」
「大して殺戮は出来なかったようですけどね。
なにしろ、みな、逃げてましたから」
「それでも、王宮にひとが残っていたでしょうに」
「ジュリアンが王都に潜伏していましたが、彼は、王宮の人間を逃がす手伝いをずいぶんやってたそうですよ。
シダルタ王子が、王宮の大臣や、文官や侍女たちを逃がすのに尽力していましてね」
「シダルタ殿下が?」
バゼルが目を見開いた。
「ええ。シダルタ王子は、優秀な方ですから。
シュールデル軍が、西の国境に集結し始めた時点で、王宮内の後始末を始めたんです」
「そんなに早くからですか」
「あの国王と宰相が、どんな最悪の決断をするか、だいたい判ってましたから。
ユギタリアは内部から食い荒らされてたんです。
王宮にシュールデル軍がなだれ込んできた当時、王宮内に残っていたのは、ほとんど間者だけだったようです」
◇◇
レイナス村へあと半日というところで日が暮れ始め、ジュリアンたち一行は野営の準備を始めた。
馬車を留め馬を繋いで休ませ、火を焚いて食事を作った。
小さなリディアが、ジュリアンの狩ってきた魔獣の肉を捌き始めると、バゼルと御者が感心した。
今日は焼き肉とシチューを作った。
夕食を食べながら、
「レイナス村へは何度も行っていますが、こんなところで野営するのは初めてですよ」
バゼルが怖々と辺りを見回す。
「いつもはどうしていたんですか」
ジュードが野営の手を止めずに尋ねた。
「遠回りをして、一番近い村で一泊してレイナス村に着くようにしていたんですよ。
ですから、2日以上はかかりましたね。
ここで野営すれば半日は節約できます。
魔素の森は暖かいというのは本当ですね。
火を焚いて冬用の寝袋ひとつで充分、寝られます」
バゼルは嬉しそうだ。
リディアは馬車の中で寝かせてもらえる予定だが、ジュリアンとジュード、ヘイゼルは交代で見張りだった。
「魔導師が同行して魔獣避けの薬草を使えば、この経路で行けるわけですね」
とヘイゼル考えながら言う。
「ええ、魔獣避けだけでは心許ないですから、魔導師の警護は要りますね」
・・と話している矢先に、ヴヴゥと不気味な唸り声が聞こえてくる。
ジュリアンが声のする方に目を眇め、ふいに疾風のごとく駆け出した。
夜闇の中で、魔獣の唸り声とギャァアという鳴き声。
隅で食事をしている御者とバゼルが目を見開いて食事の手を止めていると、間もなく背の高いジュリアンが自分よりも一回り大きい黒い狼を引き摺って帰ってきた。
「良い素材が取れるかもしれませんので、馬車の荷台に括り付けて運びましょう」
ジュードが平然と告げた。
「この森は、こんな凄い狼が狩れるのね」
リディアも平気な顔で狼をしげしげと眺めている。
「・・狩れるひとは少ないと思いますよ・・」
バゼルがドン引きしていた。
◇◇◇
明くる日の昼前に一行はレイナス村に到着した。
「わぁ・・」
リディアは思わず声をあげた。
レイナス村は、森に囲まれた小さな村だった。
木造の丸太小屋が建ち並び、可愛らしい雰囲気だ。
見るからに肥えた土の畑には秋野菜が少し残っている。
もう、暦は晩秋というより冬に近いが、魔素の森が近いせいか寒さは厳しくない。
「村を囲っている草むらは、魔獣避けの薬草ですよ。
移植したんです。
ぐるりと分厚く囲うように。
魔獣がずいぶん来なくなったんですよ。
来ても魔導師たちが退治してくれるんですけどね」
とバゼルが説明した。
子供たちが元気に走り回り、薬草の束や薪の束を担ぐ村人たちがのどかに歩いている。
リディアはなにか手伝いたいと思っていた。
だが、すでに村は整然と整えられていた。
「避難民の村という感じではないね」
とヘイゼルが見回した。
「初期のころは古い家ばかりでしたが、立て直しが進みましたから。
あの頃は、春から夏になるころで暖かくて良かったです」
バゼルが家々を手で示す。
リディアが辺りを見回しながら歩いていると、ふと村人が立ち止まった。
初老の男性だった。傍らには17歳くらいの少女が一緒に居る。
「ユギタリアから来たのかね」
と男性に尋ねられ、
「ええ、そうです」
ジュリアンが応えた。
「村の様子を見に来られたんですよ、フェリウスさん。
村の代表をされている、フェリウスさんです」
とバゼルが紹介した。
ジュードとジュリアン、ヘイゼルがそれぞれ自己紹介し、ジュリアンがリディアを、
「リディア嬢です」
とフェリウスに紹介した。
リディアは、ジュリアンの姉上から習ったユギタリアのお辞儀をした。
胸に手を当て、少し腰を屈め頭を下げる。
「良く来たね、お嬢さん。
ディアナ姫に似ておられるな」
フェリウスがお辞儀を返して頬笑んだ。
「あの王の姫に似ているなんて言われたら、その子が可哀想よ」
フェリウスの隣に居る令嬢が呟いた。
「ジナ。
失礼なことを言うんじゃない。
シダルタ王子が皆を助けてくれたことを忘れたのか」
「ディアナ姫とシダルタ王子は別よ。
ただ単に、あの王のことよ」
ジナが肩をすくめる。
「今のお前の言い方では、ディアナ姫を貶している」
「ディアナ姫は気の毒な姫だったわ」
「過去形で言うな。
すまないね、姪のジナは、こちらに来る時に母を亡くしている。
ヴェルデス州の船に攻撃されたときにね」
「・・やはり、犠牲者が出ていたんですね・・」
とヘイゼルが気落ちした。
「酷く撃って来たのでね。
ヴェルデスの女を娶ったユギタリアの宰相が、国を荒らしていたのと関係があるんだろう」
「有名な話でしたか」
とジュードが険しい顔になる。
「王宮の一部の者はね、知っていた。
あの頃は、迂闊なことは言えなかった。
言えば、不審死体になるのでね。
あの宰相は、毒の井戸のような男だった。
ユギタリアを汚染し続けた」
「嫌な話ばかり、止めましょうよ」
ジナが吐き出すように言う。
「お前が発端だろうが」
フェリウスが呆れた。
ふいに、ジュリアンが、
「ジナ殿」
と呼びかけた。
「なによ」
少女がジュリアンを睨んだ。
「王族がみな、愚かだったわけじゃない。
前王ソールは、賢王だった。
王族がみな殺されたあと、たったひとりで国を支えるためにユヴィニを採掘されていた」
「王族は、だって、病死して・・」
「国中に病が蔓延していたわけじゃない。
それなのに、外を出歩くことの少ないはずの王族が、みな、死んだ。
あれは暗殺だった。
守れなかったのは臣下だ。
おかげで、賢王は採掘場から出られなくなった。
王のせいじゃない。
たったひとりの愚王のために、なぜ、国が滅んだ?
あの宰相のせいだ。
宰相は、国王が決めたんじゃない。
宰相は、議会が選んだのだから。
議会が選んだ宰相を、国王は承認しただけだ。
宰相が、あのシュールデル出身の第二王妃を決めた。
あの第二王妃が国王を誘導した。
国王だけのせいに出来るか?
国王は、少なくとも、残虐でもなかったし性悪でもなかった。
並外れて愚かだっただけだ。
周りが支えるべきだった。
国王を守れなかった。
国王ひとりのせいに出来れば気が楽だが、それでは済まない。
国王ひとりのせいにしていては、また同じ過ちを犯す。
どういう形の国であったとしても、ひとのせいにして真実を見ないで居てはいけない」
「・・そんなの・・詭弁よ・・」
「ジナ、詭弁じゃない。
真実だ。
辛いことだが、真実なんだよ」
ジナは、フェリウスの言葉に何も応えず、その場を立ち去った。
◇◇◇
バゼルは、レイナス村に居るときはキルバニア町役場が管理する家に居るという。執務室が設えられ、名簿や資料が保管されレイナス村役場になっている。バゼルはその二階で泊まる。
今、レイナス村は、バゼルとフェリウスと、ふたりが中心になって運営している。
ユギタリアの難民たちが来るまでは、レイナス村はほぼ廃村だった。
狩人たちや薬師たちが拠点に使っていただけだ。
ひとが増え、村として復活していた。
ヘイゼルが、
「ユギタリア人のフェリウス氏が、村代表をしているんですね。
元から居た村民ではなくて」
とバゼルに尋ねた。
「ええ、元からの村民は、村代表のような役はやりたがらなかったのですよ。
『おかしな連中が移り住むのは困る』とか当初は言われましたけれどね、私から言わせると、狩人たちの方がならず者風でした。
でも、見かけほど悪いひとたちじゃないみたいですよ。
村代表は、フェリウスさんが相応しいです。
後から戻ってきたわずかな村民も高齢者でしたし」
ジュードたち一行は、修繕が済んでいる家に案内された。
4人が来ることが急に決まったため、とりあえず古い家で暮らすことになった。
バゼルは「古い家ですが・・」と気にしている様子だった。
リディアは庭に立ち、家を見上げ、
「ううん、素敵な家」
と満面の笑みで応えた。
石積みの土台に太い丸太がふんだんに使われた家で、確かに古そうだが修繕は綺麗にしてあった。
「・・そうですか・・?」
リディアは、扉が開けられ家に駆け込むと、
「とても暮らしやすそう」
と、修繕された階段の手すりを撫でたり、張り替えられたばかりらしい床の上を歩き回った。
煉瓦の暖炉と煙突の手入れも済んでいて、すぐ使えるようになっている。
4人分の寝台と、テーブルと椅子も運ばれていた。
リディアはジュードたちと家の中を掃除し、運んできた布団や毛布やタオル、シーツ類、着替え、鍋やフライパンや食器を部屋や棚に収め、カーテンをかけた。
リディアがお茶を入れ食堂に落ち着くと、ジュードたちは早速、打ち合わせを始めた。
ジュリアンが、レイナス村の北にあるジファヌ村に青藍銅を買いに行くことになっていた。
天気が良ければ明日にでも行く。
レイナス村からジファヌ村まで、馬を走らせて半日ほどの距離だ。早朝に出れば、夕方には着くという。
ジファヌ村は鉱山が近くにあり、鉄鉱石と青藍銅が採れる。
鉄鉱石が主で青藍銅の採掘量は少ないらしいが、リディアの生成能力ではごく少なくても充分だった。
青藍銅の加工はこの古い家で行う。
ジュードとヘイゼルは、リディアの警護要員、兼、世話係だった。
昼食はバゼルが「村の食堂で召し上がりませんか」と誘いに来てくれた。
「ユギタリア料理が食べられますよ」
とバゼルが教えてくれた。
「へぇ。それは嬉しいな」
ヘイゼルが頬笑む。
「材料が違うので、すっかり同じではないそうですが。
でも、美味しいですよ」
最初に出てきたのは青菜のおひたし。主菜は魚の照り焼きだった。
茶碗に盛られたご飯は麦飯だった。それに、ハーブや芋の天ぷらのようなもの。
リディは、なぜか懐かしい心地になった。
豆を潰したスープと餅菓子のようなデザートを食べるとますます郷愁に駆られてしまった。
「やけに大人しいね、リディア」
ジュードが心配そうにリディアの様子を見ている。
「初めての料理のはずなのに、どうしてか懐かしくて・・」
リディアは、お腹も満腹だが、胸も切なさでいっぱいになっていた。
「さすが、ユギタリアの子ですね」
バゼルが屈託無く頬笑んだ。
家に戻るとリディアは、
「私、絶対に、ユヴィニの『採掘』がんばる」
と、ジュードたち3人に宣言した。
「無理しなくていいですよ」
とジュリアンが困ったように言った。
「復讐、してやるの!」
リディアはいつになく真剣で、ジュリアンとヘイゼルが痛ましげな顔になった。
ジュードはリディアを抱き上げ、
「お願いですから、可愛い顔をして、そういうことを言わないで下さい」
リディアの髪を撫でた。
「本気よ」
「憎しみに駆られた行動は、憎しみに満ちた結果を生みます。
そういう汚れ役は私たちがします。
国が滅んだころ、私たちは分別ある大人に成長していましたからね。
リディア姫にはなんら責任はありません」
「私の大切な故郷を壊されたのよ」
リディアの目から涙が溢れる。
「また、故郷を作りましょう。
リディア姫」
ジュリアンが、ジュードからリディアを抱き取り、抱きしめた。




