出会い。
忘れることが出来ない思い出。
その最初のページは、彼との出会い。
藤崎くんとの出会いは
高校2年の春だった。
その日は少しだけ肌寒くて。
制服を着て、足早に学校に向かった。
「あすか!」
「巴、おはよ」
「おはよ、クラス分けどうだった?」
「3組だったよー」
「あたしも3組!今年も一緒じゃない、やった!!」
1年の頃からの友達の巴。
今年もまた一緒だって巴は凄く喜んでて
あたしもまた嬉しくなった。
「・・・自己紹介は各々やってもらうとして、委員会だな。んじゃ代表からー」
クラスが変わった日。
2年3組には結構知った顔が揃った。
クラスが4組しかなかったっていうのもあったけど、
1年の時同じクラスだった人も多かった。
委員会が決まっていく学活の時間。
ぼーっと窓の方を見ると、そこには小さくあくびをもらす人がいた。
知らない顔だな、それが第一印象。
残りの委員会は1つ。
あたしは特にやりたい訳でもないから、そのままぼーっとしてた。
「女子決まんねぇんだったらジャンケンでもしろ」
担任の一言で集められた女子数人。
みんなめんどくさそうな顔をして、ジャンケンを開始。
「・・・負けた」
「あすか、どんまい」
まさか負けるなんて思ってないし。
あたしはしょうがなく、自分の名前を書く。
『 執行委員 男:藤崎八重 女:金垣あすか 』
藤崎くんて誰だろうと思った。
綺麗な字で、書かれたその名前に少しだけ興味が生まれた。
今学期最初の委員会はその日で、
担任はサボるなよーと生徒に言っていた。
場所を確認して、その教室に向かう。
藤崎くんが誰か確認は取ってないけど、大丈夫だろうと足早に向かった。
「何年何組だ」
「2年3組です」
「そこだ、プリントに目を通しておきなさい」
「はい」
時間より少し早めに着いた。
そこには教師が既にいて、あたしは大人しく言われた席に座る。
隣りはまだ開いている。
「遅れました」
「何年何組だ?」
ドアの音がして後ろに振り返る。
するとそこには、あのあくびをした黒髪の人がいた。
「・・・」
「・・・」
隣りの席に座る彼が”藤崎八重”
少しだけ緊張した。
委員会が始まって数分。
藤崎くんから紙が机に置かれた。
『藤崎八重です、自己紹介が遅れたけどよろしくね?』
短い言葉に何処か嬉しくて、あたしはその下にこう書いた。
『金垣あすかです、よろしくね』
藤崎くんは紙を受け取ると、小さく微笑んだ。
それが出会い。
なんて変哲もない、あたしと藤崎くんの出会いだった。
これから起こることが予想出来ていたら、
今のように後悔をするなんてことは、きっとしていなかっただろうと思う。
どうも、ゆチャンです。
回想編その1でございます。
まだ序盤ですけどねw
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