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開かれた扉。

かれの名前を口に出す。

懐かしく、そして悲しい思い出。

巴がうちに来てから数日。

旦那さんの休暇も無事取れた事だし、

参加の手紙を送った。



辺りが暗くなってきた頃。

旦那さんの帰りを待っていると

携帯が鳴った。


「はい、もしもし」

『あ、麻生!』

「うん、登録してるから知ってる」

『さっき参加の手紙来たから嬉しくて電話しちゃった』

「あ、よかった。届いたのね」


麻生くんは今回の同窓会の幹事。

彼の電話番号は同窓会の案内に書いてあったから登録しておいた。


『それにしても、結婚してたんだな』

「うん、連絡しないでごめんね?」

『いや、いいんだ。みんなそれぞれ色々あるのは知ってるし』

「今コックさんやってるんだって?」

『そうなんだよー。これでもちょっとは偉いんだぜ?』


麻生くんはあの頃と殆ど変わっていないみたい。

あたしのまぶたにはあの頃と同じ笑顔が浮かんでいる。


『結構みんな参加出来るみたいでさ』

「あ、そうなんだ。今何人くらい?」


3年4組は全員で38人。

半分くらい集まってればいい方だと思うんだけど。


『んーとね今んとこ25人かな?』

「そんなに集まったんだ」

『そうなんだよー。俺も驚いてさ』

「もうちょっと少ないかと思った」

『まだ日にち自体は結構あるからまだ集まるかも』

「誰が来るって?」


何気なく聞いたつもりだった。

麻生くんはあのことも知ってるし

あたしはそのことを分かってたつもりだった。


『えっとー葛西だろ、青木だろ、あとはー』

「それ女子ばっかね」

『しょうがないだろー、丁度たまってたんだから』

「ふふ、そっか」


ガサガサと紙を持つ音が聞こえる。

名簿か何かなんだろう。


『男子はねー、宮野とか二ノ宮とかあと・・・』

「・・・珍しい、来なさそうだと思ったのに」

『だよなー。あ』

「・・・ん?どうしたの?」

『なぁ、金垣』

「ん?」

『藤崎参加出来ないって』

「・・・そ、っか」


心臓をドンって叩かれた気分だった。

一瞬息が出来なくなる。

喉が渇く。


『だから安心しろ、な?』

「うん、ありがと」


それから麻生くんとは少し話して

電話を切った。






嬉しいような悲しいような

そんな複雑な気分。


引っ張り出したアルバムを開いて、

クラスのページを見る。


黒髪のタレ目の彼

その微笑みは、いつでもあたしに向いていた。

その期間は短かったけど

気持ちの整理をしたはずだったのに

思い出すことなんてないと思っていたのに。


「藤崎くん・・・・」


彼はあたしの初めて付き合った人だった。

お久しぶりです、ゆチャンです。

今回は割りと動き出す回でした。

これから動いていってくれるとありがたい・・・w

詳しくはブログ↓

http://ameblo.jp/ychan-kk/

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