大切なもの。
文化祭2日目。
そして終わりを迎える。
2日目は特に問題もなく終わりを迎える。
この数ヶ月忙しかった分、寂しい気がする。
後夜祭に参加したかったんだけど
委員会の仕事があって参加は出来なかった。
「藤崎くん、昨日はありがとう」
「ん?あぁ、気にしないでいいよ
「一応お礼だけ」
2人で片づけをしながら会話をする。
こういう機会もなくなると思うと寂しい。
「金垣さん誕生日来週なんだって?」
「あ、うん。誰から聞いたの?」
「山科さんが教えてくれたんだよ」
「巴め」
片づけを終えて、席に座る。
外では花火があがってる。
「綺麗だね」
「うん」
「金垣さん」
「ん?」
窓から藤崎くんの方に顔を向けると
薄明かりの中で藤崎くんの顔が見える。
「これ」
「何これ・・・」
「少し早いけど誕生日プレゼント」
綺麗にピンクで包装された少し大きめ。
それを渡される。
「開けてもいい?」
「どうぞ」
丁寧に開けようとしたけど、手が震えた。
「・・・水彩絵の具?」
「うん、水彩買いたいって言ってたから」
「・・・ありがとう」
涙が零れた。
ただ本当に嬉しくて。
藤崎くんは泣くことないのにって言ってたけど
本当に心の底から嬉しかったんだ。
「・・・お客様?」
「・・・」
「お客様、大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫ですよ」
少し思い出し過ぎたかも。
そう自嘲気味に笑った。
可愛い店員さんが心配そうに見つめてる。
「このお店いいお店ですね」
「ありがとうございます。色々な画材に囲まれて楽しいです」
本当に好きなんだなってわかるくらいの笑顔。
あたしはパステルを取って店員さんに渡す。
「ピンクの包装とかありますか?」
前向きになりたい。
そんな風に思った。
文化祭でもらった水彩絵の具。
あれはまだ家にあったはず。
家に帰ると、昼寝をしているちあきとあかねがいた。
微笑ましい光景に微笑んで、夕飯の準備を開始することにした。
「もうすぐ12月・・・」
同窓会まで1ヶ月を切ろうとしていた。
ゆチャンです。
長々とありがとうございます。
回想は一応ここまでです。
読んでくださってありがとうございます。
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