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七 倒した!?
大型の異形の胴に突き刺さる音がする。
槍が命中したのだ。
「今のうちに態勢を整えろ! 群れの異形の残りを倒す方と、大型のを叩く方に分かれて戦うぞ!」
ディーナが再び指揮を取る。
皆、臨戦態勢をとり始め、雄叫びを上げつつ攻撃を開始する。
「舞え。鏡華!」
エリッサがそう口にすると、周囲に鏡の欠片が展開され、大型の異形に向かっていく。
そして、渦を巻くように刻んでいく。
大型の異形は全身から血を流しつつも、前肢をエリッサへ向け、踏み出す。
「私がさせません!」
ミーフェアは、賢者三体による大槌で巨大な前肢を押さえる。
それどころか、押し戻す。
異形の巨体はぐらりと揺れるが、後退することで体勢をとり直す。
その隙を見てディーナが仕掛ける。
「大いなる豪炎よ」
手を上に掲げると、遥か頭上に巨大な火球が現れる。
「打ち焼け!」
声が発せられると同時に、巨大な火球は、大型の異形に向かっていき当たった。
「やったか!?」
ディーナの声が響く。




