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六 気合いの入ったウェルグ
「うおぉぉ!」
人一倍気合いを入れて、先に動いたのはウェルグだった。
輝きを放った槍を放つ。
槍は大型の異形の肩口に命中する。
だが、どこか無理をしているような気合いの入れ方だった。
赤い髪の女性も手をかざし、炎の刃を放って大型の異形に当てる。
「行くぞ! ミーフェア」
名を呼ばれた者は、結わいた後ろ髪を前に垂らしていて、胸が豊かだ。
「はい、ディーナ」
ミーフェアは赤い髪の女性をそう呼び、自身の周囲に、力によって賢者なる存在を三体召喚する。
その姿は、白いローブに身を包んでいて、手には大槌を所持している。
ミーフェアは宙に浮いた賢者を操って、大槌で攻撃していく。
小さな傷を受けた大型の異形は咆哮し、前肢を前方へと踏み出す。
この動作だけで、踏みつけられ数人が死に至る。
続けて、獰猛な牙で一人の裁司者を襲おうとする。
「これ以上、死なせるか!」
ウェルグが、輝きを放った槍を放る。




