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裁きを司る者達  作者: 志野夕刻
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五十九 守りの力

 今回は戦闘回です。

 長くなるのも時間を消費しますので、本編をどうぞ。











 (僕の力は、槍を手にしている間は、少し速く動ける。そこを活かせば······)

 ウェルグは、動こうと足を微動だにした時、ジュートの方が先に動いた。


 (なっ! 真っ直ぐ突っ込んできた!?)

 ウェルグは一瞬戸惑う。

 (······それなら、こっちは)

 だがすぐに落ち着き払い、相手が程良く近付いてきたところで右にかわす。

 すかさず、右手の槍を突き出す。


 ジュートは、攻撃を予測していたかのように、左手の短い剣で輝きの槍を払って止める。

 さらに近付いて、右手の長い剣で顔目掛けて、突く。


 「くっ」

 ウェルグはぎりぎりのタイミングで、横に首を傾けた。

 だが完全にはかわせず、左頬をかする。


 ジュートは続けて、左手の短い剣で相手の槍の内側を走らせ、腋を狙う。

 ウェルグは素早く、後ろに跳んで距離をとる。

 着地し、左頬からは血が流れて、地面に染みを作った。


 ウェルグは、余裕のない荒い呼吸をする。


 「どうした? 息が荒いが?」

 ジュートは、さらに流れを自分のものにするため、挑発する。


 (本当に強い······。どうしたら······)

 ウェルグは、輝きの槍を構えるが動けないでいた。


 その様子を見て、ジュートは動く。

 先程とは違って、右斜めに駆ける。

 そして、途中で左へ曲線を描くように、距離を詰めていく。


 ウェルグは、相手が槍の射程に入ったところで、突く。

 ジュートは又、予測していたかのように、深い前傾姿勢をとって避ける。

 そのまま駆けて、右肩を突きだし体当たりを咬ました。


 ウェルグは腹部に衝撃を受け、後方に吹っ飛ぶ。

 地面に背中から落ちる。

 「かはっ!」

 手にしている輝きの槍が消えていく。


 ジュートは、地面に倒れ込んでいるウェルグに近付き、右手の長い剣を突き付ける。

 「どうした? 終わりか?」


 (まずい······。立ち上がらないと)


 「悪いがこれで終わりだ。恨むなよ」

 ジュートは、右手の剣を逆手に持ち替えて、相手の喉元に狙いを定める。

 勢いをつけるため、右手の剣を持ち上げる。

 次の瞬間、喉元目掛けて、剣を突き下ろしていく。


 (ここで死ぬのか······)

 その瞬間、ウェルグは走馬灯を見る。

 大型の異形に殺された母、力の上達法を教えてくれた裁司者の男。

 そして、優しく微笑む姉。

 (そうだ。僕が死んだら、姉さんは誰が守るんだ。まだ、死ぬわけにはいかない! )


 ウェルグの体が輝き出す。


 「なんだ!? これは!?」

 ジュートの目線の先には、輝きを放った盾が存在していて、剣の突き下ろしを防いでいた。

 ウェルグの首から胴体を覆う程の、大きさの盾だった。


 「盾だと!?」

 ジュートは後ろに三歩下がる。


 ウェルグは、盾の持つところを手に取り、立ち上がる。

 (これが僕の新しい力······。なぜかは分からないけど、力の扱い方がわかる)

 「僕は死ぬわけにはいかない。守りたい家族がいるんだ!」

 ウェルグは、右手に槍を顕現する。


 「それは俺も同じだ! アーマイゼのために、死ぬ訳にいかないんだ!」

 ジュートは、両手の剣を上段に構えた。

 







 今回は戦闘を描写していて、特に楽しかったです。

 ウェルグまで、新たな力に目覚めてしまいましたね。

 その力で、戦いがどうなっていくのか、楽しみにしていて下さい。

 次回は最後、驚きの展開をだす予定です。

 予定なので次の次になるかもしれませんが······。

 次回も宜しくお願いいたします。

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