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五 大型の異形現れる
異形の群れが減っていく中、その場を舞っていく無数の鏡の欠片。
その鋭利な鏡の欠片を操って、異形を倒していくのはエリッサだ。
ウェルグも、輝きを放った槍を手にして狼の異形を貫いていく。
微かに、彼の身体が光に包まれている。
光のおかげなのか、若干動きが速い。
「あと······ちょっと!」
エリッサは異形の攻撃を、ワンピースのスカート部分をひらりとさせ、かわす。
すかさず、ウェルグの輝きを放った槍で、異形は貫かれる。
「ウェルグ、ありがと」
異形の群れも残り少なくなってきた。
ふと、地響きが襲う。
皆、動きを止める。
大地を踏みしめるような音は、大きくなっていき、原因は姿を現した。
狼型の異形で高さ四メートル、体長は十メートル近くはあるだろう。
こちらの大型の異形も目付きが異常だ。
狂暴性をさらに感じさせ、舌からはよだれを垂らしている。
目の前に新たな異形が現れたのに、全員動こうとしない。




