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裁きを司る者達  作者: 志野夕刻
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五十七 手強い相手




 「さて、やるか」

 「はい」

 「うん」

 ディーナ、ミーフェア、ウェルグは臨戦態勢に入る。


 「行くぞ! ミーフェア」

 「はい!」

 ミーフェアは右手を前へかざす。

 「顕現せよ、象徴の賢者。鉄槌」

 鉄槌の賢者三体を召喚する。


 「炎よ。刃となりて地を駆けよ!」

 ディーナの炎の刃が地を駆けていく。


 だがアーマイゼは、巨大な螺旋の刃を形成して防いだ。

 すぐさま、二つの螺旋の刃を形成し、爆発的な速度で伸び進めていく。


 「頼む! ミーフェア!」

 「はい!」

 ミーフェアは、鉄槌の賢者の大槌で刃を受け止める。

 だが、押し負けそうになる。

 「うっ。なんとか······」

 鉄槌の賢者で刃を押し返そうとするが、逆に押されていく。

 火花が散る。

 なんとか、賢者が踏ん張り続ける。


 数秒後、ようやく螺旋の刃の勢いが弱まり、消滅していく。

 ミーフェアは一息つく。

 「なんとか、防ぎきりました」




 

 「どうした? 気になるのか?」

 ジュートは、ディーナ達を気にしているウェルグを見据え問う。


 「そっちは、気にならないのか?」

 「気にならないと言ったら嘘になるが、アーマイゼなら大丈夫だ」

 ジュートは右手の長い剣で斬りかかる。

 ウェルグは、素早く左へかわし、左手の輝きの槍で突く。

 だが、ジュートが左手で持つ、短い剣の側面で防がれてしまう。


 互いに、再び距離をとる。

 今度はウェルグが先に仕掛ける。

 両手に持つ輝きの槍を構えて、突進していく。


 ジュートは、ぎりぎりのタイミングでかわすため、引き付ける。

 ウェルグは急に踏みとどまり、槍を肩の上に構えた。

 その右手の槍を放つ。


 ジュートは虚を衝かれたが、体を斜めに構えてそらし、ぎりぎりでかわす。

 すぐさま、体勢を整える。

 「なかなか、やるな」


 (······強い)

 ウェルグは表情を引き締め、顕現した槍を下段に構えた。

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