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裁きを司る者達  作者: 志野夕刻
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五十五 螺旋の刃




 エリッサ達は、再び馬を走らせてから一時間、王都目前の位置にいた。

 「皆、気を引き締めろよ」

 「うん、わかってるよ。ディーナ」

 「はい。ディーナ」

 「うん、わかった」


 都の門がだんだん大きく、近づいてくる。

 門は開いていて、周りに人が大勢いる。

 恐らく、王国準裁司ケルヴィン側の裁司兵だろう。


 ミーフェアは兵の数を見て、緊張のあまり唾を呑み込む。

 「ディーナ、どうするんですか?」

 「決まっているだろう! 突っ込むぞ!」

 「ええ!? 大丈夫なの!?」

 エリッサは仰天する。

 「でも、それしかないよ」

 ウェルグはディーナの意見に賛同する。


 「······仕方ないよね」

 エリッサも、時間と猶予がないので、諦めに近い形で賛同する。

 「そうですね」

 ミーフェアは、ふふっと微笑む。


 四人が会話している間に、乗っている馬は距離を詰めていた。

 そろそろ、敵に気付かれる頃合いだろう。

 「敵だ!」

 裁司兵の一人が声を上げる。

 その者は続けて、「放て!」と叫んだ。


 エリッサ達目掛け、攻撃が飛んでくる。

 四人は、身を屈め馬を走らせていく。

 「炎よ。刃となりて地を駆けよ!」

 ディーナは、四つの炎の刃を放ち、敵十数人を切り裂いていく。


 「舞え! 鏡華!」

 エリッサも鏡の欠片を操り、敵兵を切り刻んでいく。

 「うわああ!」

 その攻撃で、裁司兵達が怯んでいる隙に、四人は門を突破する。


 「やったね!」

 「ああ。だが、油断は禁物だ」




 エリッサ達は、五分程、街中を馬で進んでいたところ、二つの人影に気付く。

 「ディーナ、どうするの?」

 「決まっているだろう。突破するぞ!」


 人影が近づいてくる。

 それが誰なのかがわかった時、エリッサ達の表情が緊張のあるものに変わった。

 アーマイゼとジュートの二人だった。


 エリッサ達は、彼女の周りに展開されている螺旋の刃に気付く。

 顔色が、より一層変わる。

ディーナは瞬時に叫ぶ。

 「跳べ!」

 四人は、馬から飛び降りて地面を転がる。


 次の瞬間、爆発的な速度で螺旋の刃が、馬を抉り刻んでいった。

 場に飛び散る血液。

 散乱する馬だった生物の肉片。


 

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