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裁きを司る者達  作者: 志野夕刻
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五十二 新しい力




 すると、ディーナの目の前に、五つの炎が出現する。

 その炎は瞬時に、災いの賢者目掛けて伸び進んでいき、捕縛する。

 賢者の左腕、右腕。

 左足、右足。

 最後に首回り。


 ディーナ目掛けて落ち途中の雷は、大きく外れ出す。

 そして、遠くに落下した。


 「······体が熱い。これが新しい力か」


 気付けば、先程まであった地震がなくなっていた。

 空の重々しい暗雲も去っていく。

 ディーナの新しい力で、賢者を捕縛したためだろう。


 「······どうして······ですか。どうして!? ディーナ、あなたはそこまで······」

 ミーフェアは、そこまで言って口をつぐむと立ち上がる。


 (ディーナ。絶対に退かせます······!)

 ミーフェアは、捕らわれている災いの賢者を消す。

 右手を前にかざす。

 「顕現せよ。鉄槌の賢者」

 ミーフェアの呼び掛けに応じ、大槌を手にした三体の賢者が現れる。

 「賢者よ、攻撃しなさい!」

 三体の賢者は、ばらばらに移動してディーナに襲い掛かる。


 一体は正面から。

 二体目は右から。

 三体目は左から。


 ディーナは、右手を前へかざす。

 「罪人を焼きし炎よ。絡めとれ、燃え盛れ。いでよ! 捕縛の業火!」

 するとディーナの目の前に、先程と同じように三つの炎が現れる。

 炎は伸び進んでいき、鉄槌の賢者三体を捕らえる。


 「なっ!? 賢者よ! 脱出しなさい!」

 ミーフェアの命令通りに、賢者は炎から逃れようとするが無理だった。


 「無駄だ。この捕縛の業火に絡めとられたら、最後だ。抗うほど、敵意を持つほど、逃れられなくなり炎は激しくなる」

 ディーナの言葉通り、炎は燃え盛っていき賢者を焼いていく。


 「そんな······」

 ミーフェアは、落胆して膝を落とす。

 賢者三体は炎に焼かれ、消滅していった。


 「ミーフェア······。話してくれないか?」


 ミーフェアは、思案顔でしばし沈黙する。

 (もう私の力ではディーナを退かせられない。······だったら······)


 「ディーナ。私は······私は、国に復讐したいんです」

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