五十 何かしてみせる
一方、ディーナはミーフェアと戦っていた。
戦いと呼べるものではなく、一方的だが。
「ミーフェア! 話を聞いてくれ!」
ディーナは、鉄槌の賢者の大槌をかわしていく。
右へ。後方へ。
三体めの賢者の大槌が振り下ろされる。
ディーナは、左横に転がって回避する。
すぐに立ち上がり、賢者に炎の刃を放ち命中させる。
切り裂かれた賢者は消滅していく。
「答えてくれ! なぜ、裏切った!? 理由があるはずだ!」
ディーナの問いに、ミーフェアは表情を変えることなく答える。
「裏切ってなどいません。最初から、こちら側だったんです。······理由を聞いてどうするつもりですか?」
ミーフェアは手を前にかざす。
「理由を聞いて、何かできるんですか?」
賢者を新たに出現させ攻撃する。
ディーナは右手を上へ掲げていた。
遥か頭上には三つの大火球。
右手を前へかざす。
「出来る!」
三つの大火球は、勢い良く進み、それぞれの三体の賢者に当たって消滅させる。
「何かしてみせる! 信じてくれ。ミーフェア······」
「気安く、何かしてみせる、なんて言わないで下さい! 私の邪魔はさせません」
ミーフェアは右手を前へかざす。
「顕現せよ。象徴の賢者······災い」
すると、黒のローブに身を包んだ賢者が出現した。
物語もいつの間にか、後半に突入しました。
しばらく、主人公のエリッサは空気になると思います。
そのかわり、それ以外の登場人物に焦点が当たります。
ウェルグとかですね。
詳しく話すと、面白くなくなるので話せませんが。
次回も、ディーナとミーフェアの戦闘です。
宜しくお願いします。




