四十八 終わった後
エリッサ達はその日の内に都市ベルクに辿り着く。
翌日、出発し一日で山岳地帯を越えて北部入りする。
「追い付かないね」
「ああ。······急がなくてはな」
「まさか、もう王都に着いてるなんてことは······」
ウェルグの言葉で重苦しい雰囲気になる。
三人は、山の近くの村で馬を休めることにする。
次の日早朝に出発し、午前中に都市ツヴァイトハンデルに着く。
休むことなく、貸し馬屋で馬を乗り換える。
エリッサ達はすぐに都市を出る。
六時間後。
三人は、眼前の光景に絶句する。
「こんなの······酷いよ」
地面にはおびただしい程の血。
沢山の裁司兵達の屍がそこらにある。
「もう戦は終わっていたのか······。王都に急ぐぞ」
「うん」
エリッサとウェルグは頷く。
十分程して、幾つかの人影が見えてくる。
その内二つは人影だと分かるが、それ以外は大きい気がする。
はっきり視認できる距離になって、三人に緊張が走る。
一人は、ツインテールの髪型に、服は黒を基調としたドレス。
周りには、大型の異形が二体、通常の異形が六体いる。
もう一人は、後ろ髪を結わいて前に垂らし、おっとりしたたれ目。
ヴィネラとミーフェアだった。
「ミーフェア······」
ディーナは呟いた。




