三十七 メフェリアの力
「わたしは······あなたを許さない! 舞え! 鏡華!」
エリッサは鏡の欠片で、メフェリアとユアを攻撃していく。
二人はかわしていく。
鏡の欠片の射出は止まらない。
「はぁはぁ······。わたしの、両親を殺したあなたは許せない!」
まだ、鏡の欠片の攻撃は終わらない。
ふと、攻撃がメフェリアの左足を掠め、動きが止まる。
エリッサの鏡の欠片が迫る。
メフェリアは不意に、冷やかな笑みを浮かべた。
すると、エネルギー状の白い球体が五つ出現する。
白い球体は触れることで、鏡の欠片を消し去ってしまう。
エリッサは一旦攻撃を止め、後方へ距離をとる。
(あれが、メフェリアの······)
「罪悪の力······」
冷や汗を流しながら、呟くエリッサ。
「どうしたの? もう終わり?」
メフェリアは、白い球体を消してから淡々と言葉を発した。
「まだ······。まだ、終わってないよ!」
「エリッサ! ちょっと待って!」
ウェルグがエリッサを止めに入る。
「ウェルグ······。ごめんね。今は止めないでほしいの」
エリッサは手をかざし、無数の鏡の欠片を出現させ、自分の周囲を舞わせる。
「罪悪の力······消失······顕現せよ」
メフェリアも力を展開する。
白い球体が五つ現れた。
「ユア。一人でやるから」
ユアは、分かりましたと言わんばかりに、後退して距離をとる。




