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裁きを司る者達  作者: 志野夕刻
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三十六 六年ぶりの再会

 エリッサは我を忘れて、木の陰から動こうとする。メフェリアに向かって。


 「エリッサ?」

 ウェルグは、エリッサの様子がおかしいのに気付いて、呼び掛ける。


 「······」

 だが、応答はない。


 ウェルグは、エリッサの視線の先を辿る。

 見れば二人組の男女がいた。


 女性の方は、手配書で見たことがあるとウェルグは思った。

 (······メフェリア・ノーレッシュ!)


 ウェルグは囁くような小声で、「エリッサ! 駄目だ!」と止めにかかる。


 その時、横から何かが飛んでくる。

 いや、跳んできた。狼の異形だった。


 「うわっ!」

 ウェルグは咄嗟に体が反応し、ぎりぎりでかわす。

 すぐさま体勢を直し、輝きの槍で異形を貫く。


 一息つきながらウェルグは、これでメフェリアに気付かれたかもしれないと思った。


 メフェリアと一緒にいた男性の方が、ウェルグの声に反応し振り向く。

 その顔に見覚えがあると、ウェルグは思った。

 ユア・レイティヒだった。


 「やはり、誰かいるみたいだ」

 ユアは林を見つめ、手を前にかざす。

 裁きの力を使おうとしているみたいだ。


 だが、それより早く林の中から、複数の鏡の欠片が飛んでくる。


 ユアとメフェリアは、左右に分かれてかわす。


 「やっと······」

 その声は林の中から聞こえてくる。

 草を踏み締める音が、大きくなっていき道沿いで止んだ。


 姿を現したのは、肩位までの波うった金髪の少女。

 エリッサ・ファイスニッド。


 「······やっと、見つけたよ。······メフェリア・ノーレッシュ!」

 エリッサは、いつもはぱっちりした目を鋭くさせ、そう言い放った。

 

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