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三十二 死の真相
エリッサ達は、街中を馬で疾走している。
「ねぇ、ディーナ! さっき、王国裁司が話していた詳しい話って?」
「ああ、それはだな。······王国準裁司が亡くなったのは、もう一人の王国準裁司、ケルヴィン・ヘカイトが関与していたんだ」
「つまり、どういうことなんだ?」
ウェルグは先を促す。
「······兄上は、ケルヴィン・ヘカイトが殺害したのではと疑っている」
「それって、王国準裁司が同じ立場の王国準裁司をってこと!?」
エリッサは、信じられないといった表情で仰天する。
「ああ、そうだ。しかも······メフェリアと結託しているとも考えている。先程の協会での三人組もぐるだろう。更に言えば、一部の······かなりの裁司者が敵に回っている」
「······」
ディーナの言葉を聞いて、三人は重苦しい雰囲気を漂わせた。
「待てー!」
エリッサ達は、声のする方へ振り向き一瞥する。
後方から、馬に乗った裁司者達が追ってきていた。




