二十一 地上と空中から
「炎の刃よ。駆けろ!」
ディーナの炎の刃は地を駆け、異形を四体切り裂いていく。
対して、数体の猪の異形は突進してくる。
「顕現しなさい! 象徴の賢者。鉄槌」
ミーフェアは、三体の鉄槌の賢者を召喚し、異形を迎え撃つ。
賢者の大槌は、牙ごと、異形を粉砕する。
ウェルグも、輝きの槍で戦っていく。
エリッサは鏡の欠片を操り、切り刻んでいくが大して効いていない。
どちらかというと、援護にまわっている。
猪の異形のため、しぶといからだろう。
数が十体減ったところで、異形が攻撃してこなくなる。
エリッサ達は、畳み掛けるなら今と思い、裁きの力を使おうとする。
突然、空中から鳴き声が聞こえる。
鷹の異形が六体姿を現し、鋭い嘴で突撃してくる。
ウェルグやミーフェアは、咄嗟に反応し防ぐ。
エリッサとディーナは傷を負ってしまう。
「二人とも、大丈夫!? 僕が······!」
ウェルグは輝きの槍を放ち、鷹の異形を一体仕留める。
ふと、大地を強く駆けていく音がする。
猪の異形の突進だった。
ウェルグは咄嗟に輝きの槍で受け止める。
だが受けきれる筈はなく、数メートル飛ばされる。




