二十 気負い
出立してから四日後、山岳地帯に入っていた。
四人は、複数の鳥の異形と戦っている。
ミーフェアが賢者の大槌で攻撃を受け止め、ウェルグが輝きの槍を放ち、仕留めていく。
「舞え!鏡華」
エリッサは鏡の欠片を操り、切り刻む。
一部の異形は空中でかわし、エリッサに向かって突撃してくる。
「私が援護に······」
ミーフェアが賢者を向かわせる。
「炎の刃よ!」
だが、ディーナが援護して、炎の刃を放ち仕留める。
その後は、何かとディーナが率先して、異形を片付けていく。
戦闘が終わり、エリッサはミーフェアに小さな声で話しかける。
「ねぇ、ミーフェア? ディーナ、なんか変に気合入ってるね」
「やっぱり······そう見えますか」
二人が話していると、ディーナが気付き振り向く。
「二人とも、何を話しているんだ?」
「何でもないですよ」
ミーフェアは、はぐらかす。
「······ディーナ、無理はしないで下さいね?」
「ああ、大丈夫だ。心配はいらない」
ディーナは、手をひらひらと振る。
それからも彼女は、肩に力が入っている感じだった。
三日後、エリッサ達のかなり先に、草原が広がっている。
遠くには都市も見える。
「あと、少しだね」
エリッサがそう気を緩めた。
ふと左右の繁みが揺れる。
すると、数秒後に猪の異形が複数現れた。
三十体程はいるだろう。




