十五 軍への誘い
「······」
エリッサとウェルグは、懸念があるといった顔で黙る。
「すぐに決めろとは言わないが······。今回のことで、軍はメフェリア達を追うために動くだろう。だからこそ、戦力は少しでもほしいんだ」
「私からもお願いします」
ミーフェアは頭を下げる。
「わかったよ。ただし、メフェリア達を追う時は、わたしもその中に入れてほしい」
ディーナは身を乗り出して「ありがとう。エリッサ」と礼を言う。
「ありがとうございます。エリッサさん」
「······それで、ウェルグはどうする?」
「僕は······。少し、時間がほしいんだ。ここで待っててほしい」
「あぁ、わかった」
一時間しないで、ウェルグは戻ってきた。
「ディーナ。僕も軍に入れてほしいんだ」
ウェルグは真剣な面持ちで、そう口にした。
「あぁ、よろしく頼む」
「そういえば、ウェルグ。どこに行ってたの?」
エリッサが唐突に質問する。
「姉さんに別れを言いに行ってたんだ。しばらく、会えないだろうから」
「そうだったんだね······」
エリッサの顔には暗さが窺える。
何かを思い出しているのだろうか。




