十三 退却
案の定、傷はできず、複数鎖の紋様が浮かぶ。
「ユア······レイ······ティヒ!」
エリッサは無理に立ち上がる。
かなり、立っているのも辛そうだ。
ユアは、攻撃を止め何かを思いだしたような表情をする。
「君はもしかして······あの······」
「炎の刃よ! 駆けろ!」
ユアの言葉を遮るように叫んだのは、ディーナだ。
ユアは炎の刃をかわす。
そこへ、ミーフェアの賢者三体の攻撃が加わる。
彼は、それさえかわす。
残念だが大槌は大地を砕いただけだった。
「今だ! 空へ放て!」
ディーナがそう命令すると、一人の者は小型の砲身筒を掲げ、弾を発射した。
空を切る音をさせ、弾は上空で破裂する。
「なるほど······。援軍か」
ユアは余裕な態度を崩そうとしない。
「ここまでにしとこうか」
ユアは踵を返す。
「なっ! 待て!」
ディーナは、攻撃を仕掛けようとする。
「······逃がさない!」
エリッサも力を使おうとするが、邪魔をするように異形の群れが現れた。
早くユアを追うために、異形を片付けていく。
数十分して倒し終える。
その後、森を捜索するが見つけることは出来なかった。




