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騎士になる為に 【8】

 葵はほんと有名人なんだな。と、実感する。にしてもこれが試練とはどういう事か。


 「それでは確認だ。なぁに簡単だよ。少年の周りで変わった事を俺に説明できればいいだけだ」


 変わった事だと? 何も変わってないだろう。元から汚れた酒場に来ただけだ。そもそも辺りを見回してもどこが変わったなんて分かるものか。このおっちゃんが言ってるのはでたらめだ。


 「これはふざけてます?」


 「んなわけあるか。少年、お前の注意力を試してんだよ」


 こう言う問題はいらねぇんだよな。とりあえず考えてみるが、何が変わってる。壁の染みか? バケツの数か。イライラする。いや、そもそもこんな状況で大きな動きならさすがに気づくだろうし。


 「なぁ朔乃お前は分かるか?」


 「うん。そんな事私にかかれば簡単だよ。ちょちょいのちょいよ」


 「どうだ。少年分かってないのか。しょうがないからヒントでもやろうか?」


 こんな飲んべえになめられるのは腹立たしい。だが、分からないのも事実。


 「えーはい。お願いします」


 「まず言うがここが変わった訳じゃない」


 なんですと。完全に不意をつかれたヒントじゃないか。変わった事……。ここじゃない? 訳分からない。


 「ダメだぞこいつ。葵も葵だなんで連れてきた。才能無いぞこいつ」


 「まぁディルさん。こいつはその戦った経験が無いんで」


 「だろうな。基本が全然できてねぇ」


 あぁもう飽きられてるな俺。頭を漫画みたいに抱えてやがるは。俺は平穏な日本人だ。争い事に縁がない国出身なんだよ。 


 「いいか。天薙、私からもヒント出してやるから答えろよ」


 葵には分かっているのか。俺だけ分からないのか。少しへこむな。


 「つうかさ、さっきから朔乃おかしくないか。ここ来るのほんとに初めてかよずいぶんと慣れてないか馴染んでると言うか反応が俺と違うと言うかさ」


 おっちゃんがどうやら葵に耳打ちしてやがる。近いぞおっちゃん離れろ葵に殺されるぞ。


 「まぁサービスだ。少年。特別にクリアだ」


 「はぁ!? なんでそうなった。クリアしたの俺」


 「凄くおおめに見てやった結果だ。自惚うぬぼれるな。いいか特別だ。これもあのお方からの指示でもあるからな。それと葵に負けたよ俺は」


 「ごめん。でも俺未だに正解がだな」


 「天薙がダメなのは分かってるから教えてやる。違和感はあっただろいっぱい。朔乃の家を出た時からな。そこにいる朔乃は偽物だ。何せ私の姉だからな」


「なんですと!!!!」


「うるさいな。私が暗かったほんとの理由でもあるからな」


 「えっじゃ本物の朔乃は?」


 「あいつは家でごろごろしてるから大丈夫だと思う。あんだけ食った後に動けるはずないだろ」


 「確かにな。まっとう過ぎてぐうの音もでない。道理でな」


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