騎士になる為に 【2】
異世界がゆるゆるかどうかは考えないでいよう。
「そうだ。俺に教えてくれよ。剣術やら魔技やらさ」
「と言うがお前は剣はもってるのか?」
確かに。剣か……。剣に心当たりはある。あいつエリクサが剣だったと聞いたばかりだ。でもどうやって剣にする。そもそもあいつエリクサは昨日はまったく姿を見せなかった。出たり消えたり神出鬼没な奴だ。
つまり、剣を持っていない事に変わりはない。そもそもあいつエリクサが剣になった姿も見ていないけど、親父が大事にしてた家宝の鞘は確かにここにある。
「いや、剣はないんだけどさ、これならある。つってもだからなんなんだって話だろうけど」と、言いながら指で鞘を指す。
「ほんとだよ。肝心な剣がなきゃな。でも一回その鞘見てもいいか」
「もちろんだ」
俺は食事を終えてから鞘を見せてみる。葵は鞘を持ち上げ確認する。鞘を見る目がだんだん輝いているように見える。
鞘に掘られた模様が気になってるのか見ながら葵は言った。
「もしだ。この鞘が本物だとするなら、私は天薙に頭が上がらない。何せこの鞘は王家のいや、そんなはずはない。あの王家は……。」
「どうした?」
葵は考えながら魔力を注ぎ始めた。
すると、鞘は反応し出した。
「まじどうなってんだそれ」
白いその鞘は刻まれた模様を青い光が流れるように浮き上がらせていく。
「なぜ、天薙、お前がこの鞘を」
驚いたような葵の言い方に少し同調したけど俺は心を落ち着かせ言葉を聞き逃さないように鞘よりも葵に集中する。
「この鞘には何かあるのか」
「一つ教えてやる。私も詳しい程でもないがこの世には聖剣と呼ばれる精霊憑きの剣と剣事態が能力を込められている魔剣が存在してる。精霊の力を借りる聖剣に対して魔剣は……。けして魔剣は魔王の剣と言う事ではないと聞くが精霊には嫌われている剣なはず、でも叢雲は拒否反応してない。鞘だけではわからないだけか」
魔剣かロマンあるけど聖剣の使い方はできそうにないと。鞘だけで魔剣の物と分かるほど有名な物だったのか。なんで俺の家にあったのかよくわからん。いや、待てと言うことはつまり、あいつエリクサが「魔剣!!?」つい声を荒げてしまった。あいつ自分の事、天使って言ってたはずなのに矛盾過ぎだろ。




