無能騎士 【12】
■-校舎裏の森 飼育小屋
黒い軍服をビシッと決め学園が管理している飼育小屋を覗いている男は地面に落ちていた髪どめを見ている。
「ジキル何かみつけたの?」
「おう、ノエルか。これは誰のかわかるか?」
「ジキルってこう言う趣味あったの……」
「違うわ!」
「ん? 綺麗な石の装飾がついたレースのカチューシャ……。」
「みんな集まってたんですね。ジキル私にそのカチューシャ貸してくれます? やっぱりそうなんだね」
「一条。小屋中には手がかりあったか」
「とくには。でも、一番近くで見ていた私からすると、今回の首謀者は分かってます。……」
(まさかあの子が術者とは、理事長は全て分かっていて私達を監視に立てたのかしら……)
「誰だか教えろよ」
「ほなが知って人なの?」
「ノエルちゃんもジキルも知ってる。あの子が首謀者だから飼育小屋なんだよ」
「飼育小屋の管理担当者ってわけか。ってまさか」
「そう。今回の騒動はミーシャ·ハーネットあの子よ。」
(でもどうしてあの子が)
「うそでしょ……ほな……その顔は間違いないんだね。」
一条とノエルはミーシャをよく知っているからこそ、うつむきながらミーシャの事を考える。
ジキルは二人の間にうまく入り込めずぎこちなく話しに割ってはいろうとする。流石に暴走しているガルムどうにかしてやらないと数が多いのが不安になってきていた。
「なぁよ。どうするガルム?」
「どうするって言っても。ジキルも言ってたじゃない監視だけって」
「だが、獣鎧の群れだぞ。普通のガルムならなんの問題なく討伐してる奴らは多いけど獣鎧はめんどくさいだろう」
「ジキル。あなたこそ…‥いや、いいわ確かに獣鎧は厄介ですね」
「なんか一条さん怒ってらっしゃいます?」
「ジキル。ちょっと空気読め!」
「ノエルまで……」
一条は端末を取り出し連絡を入れる。相手は理事長のセシリーだ。
『理事長。ご報告します。白服はミーシャ·ハーネットでした』
『そうですか。ミーシャさんが』
『理事長失礼ですがお聞きしたい事が』
『はい。なんでしょう一条穂波さん』
『理事長は気づいていて私達を監視に』
『うすうすですけど。今は、後で集まった時に話します』
『今回の目的はもう一つ』
『天薙紅刃の行動ですね』
『彼はいずれ大きくなる。彼が反対を向く前に道化師に引き入れて下さい』
『アリシアさんの報告によれば今、ガルムの対処に動いているようです。アリシアさんは集会所の方で待機しをしていただいてる状況です』
『では、私達は』
『あなた達は彼、天薙紅刃さんの行動を見てからフォローに入っていただいてかまいません。よろしくお願いしますね』
「ジキルより、ほなの方がしっかりしてるね」
「うぐぅ」




