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無能騎士 【7】

 俺達も二階から外へ向かうことにした。


 九条先生率いる警備隊は入り口近辺を中から守り、俺は外から解決する体制だ。


 先生達は特に俺達のように忠誠の儀を交わしているわけではない。九条先生にいたっては、朝あった時のまま冷徹女に合わない胸元が開いたフリルのブラウス姿だ。それでも、学園の教師であり、王国の憲兵の仕事をもこなすのだから実力はある。


 俺達はアリス会長と合流し、改めて状況を生々しく目撃する事になった。こんな状況どうやって乗り越える……。


昨日は無知過ぎて半ば夢と勘違いしていたような感じだ。でも、流石に目の前で起こっているのは現実だと実感する異様過ぎる。いい加減長い夢と自分を誤魔化すのは諦めよう。


 俺にも戦える術が欲しい。


 昨日、俺の背後に突然現れた黒いフードの奴が俺に与えた魔技とはいったい何が正しいのか。言われるがままだった感もあったが、てっきり瞬間移動だと思っていた。


 認識の違いだったのか、昨日見ていたはずの朔乃は俺の魔技を使えるはずなのに、使用する気配はない。


「なぁ朔乃。俺の魔技ってなんだ?」


「はぁ? 使えるならいいわね。」


「そうだな。私が知るわけないが、貴様の魔技を教えてくれれば使用してみたいものだな」


(そうか、俺的には瞬間移動だと思っているんだけどな)


「そうなのか。それなら私の戦闘スタイルに合っているな。貴様だというのが皮肉だがな」


 そう言いながら葵は先陣を切って階段をかけ下り体育館入り口に向かって走った。


 葵の走り姿は上半身を前に落とし地面に対し足の接地面積を減らしたそんな走り方だ。今じゃ見ない忍者のように見える。


 昨日もガルムに襲われた。そして今日も学園の飼育小屋からの脱走。ここのセキュリティーは手薄なのか? いくらなんでも学園内に反対勢力がいるとするなら、浸入させすぎだろ。そもそもガルムは学園飼育しているモンスターな訳だから生徒達も討伐する術は持ち合わせているはずとは思うが、避難させて問題がなく我先にと立ち上がったのが俺達だけと言うのも違和感もある。そこは後で確かめるとして、ガルム討伐と怪しい奴を探す。


「紅刃、ガルムはこっちに向かって来てるよ。近づくよりも体制を整えたほうがいい気がする」


 シリルは早速近くのガルムの視界を手に入れてくれている。


 その頃、体育館のアリシアさんが九条先生に耳打ちしたのを俺は横目に見えた。


「九条先生。大丈夫です。万が一の時は我々がアシストしますから。天薙さんの行動を理事長は見定めていらっしゃいます」


「そうなんですか。なぜ彼を?」  


「ここの世界には多くの訪問者が異世界より迷い混んできますでしょ。あなたもその一人だから分かると思いますが、ほとんどの訪問者は地球と呼ばれるここの世界に近い世界から来る方が多いのです。その訪問者のほとんどの方がイレギュラーが多い存在として勇者候補に選ばれやすい」


「そう言う事でしたか。では、彼の動向を監視するわけなんですね」


「はい。ですが、この騒動は白服の者が起こした事で間違いはありません。それを承知の上でセシリー様は奴らをおよがしているそうです。きっと考えがあっての事でしょうけど……」


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