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遠藤兄弟と夕闇と  作者: 筆屋
7/8

伝承研究部

伝承研究部入部する事になってしまった文月と隼。

始まったばかりの高校生活が早くもあやしく…。

北ノ 愛が神社から盗んだ箱は?


遠藤兄弟と、いとこ隼の回りで起こる不思議な日常の物語り。

今日から授業が始まる。

7組の教室に入り、席についた文月は、昨日と同じく回りを見ないようにしている。

そんなに多いの…?!

一度聞いてみたいような聞きたくないような。

ホームルームも授業も至って順調。

昼休みまでは…。

「えーと、遠藤君と遠藤君居る?」

突然名前を呼ばれ振り向くと、そこには、こ汚いおっさ…いや、30代と思われるワイルド?な男性教師が立っていた。

ボサボサ頭に無精髭…中々の見た目だ。

「君ら、いとこで同じクラス?!普通は別々になるんだけどなぁ…手違いかなぁ。」

「あの…なんですか?」

「伝承研究部に入ったでしょ?俺は、顧問の池田ね。放課後、部室に来てね。絶対ね!」

「あ、いや。今日は早く帰らないと…。」

困り顔の文月がやんわりと断りにはいる。

「ちょっとだけ!顔出してから直ぐに帰っても良いから。ね!」

うう…。

何だ?!この押しの強さは?!

「じゃ!放課後!確かに伝えたよ!」

池田は、有無も言わさず去って行った。

「………。」

「………。」

「何?!お前ら伝研入ったの?!」

でんけん…その呼び方何?!

「変人の集まりって噂の?!」

変人…。

回りにクラスの生徒達が集まって来る。

「こ…これには、深い訳が…。」

「俺達は、脅迫に屈したんだっ!」

机に突っ伏す文月。

「モシモシ!しっかりしろっ!俺は100%お前の巻き添えなんですけどっ?!」


午後の授業が頭に入る訳もなく…。

終業のチャイムを空しく聞いた。

「どうするよ?顧問の先生自ら呼びに来てんのに、すっぽかすのは、マズいよなぁ…。」

「はぁ。昨日のアレが…。」

「もう、さっさと顔だけ出して帰ろう。」

「うん。しょうがないな。」


昨日は、当分近付かないと誓った筈の"伝承研究部"

の前に立つ。

「失礼します…。」

恐る恐る扉を開けると、正面に顧問の池田、その回りに十人程の生徒がテーブルを囲むように座っていた。

その中に北ノ 愛の姿もあった。

はああぁぁぁあ!!

北ノ 愛の前には、昨日の箱が置いてあるではないか!

文月も気付いたのか、ツカツカと部室に入って行き、北ノ 愛の前に立つ。

「お、おい。文月~?!」

「昨日、謝って返して来いと言ったでしょう?本当にどうなっても知りませんよ?」

「遠藤①何か知ってんのか?」

池田が立ち上がり、文月に問いかける。

遠藤①って…。

じゃあ俺は、遠藤②だな。

「いやぁ。北ノが神社から、勝手に持って来ちまったみたいでなぁ。昨日、怒った神主さんから電話がかかって来たんだよ。」

「知りませんよ!勝手に持って来たなら、返しに行けと言っただけです!」

文月から、全力で関わりたくないオーラが出ている。

「失礼します。」

「待て待て待て!」

いきなり帰ろうとする文月を池田が止める。

「いや、今後、こんな事が無いように、っていう話し合いをだなぁ…。」

「そんな事する訳無いでしょう!一緒にしないで下さい!」

「てか、遠藤①!お前何でそんな怒ってんの?!」

「ヤバいんですよ!ソレ!お願いですから巻き込ま無いで下さい!」

文月の言葉に他の部員がザワつく。

「遠藤君!お願い…助けて!」

北ノが、立ち上がる。

その顔は青白く、目の下にはクマがくっきりと浮き出ている。

もしかしたら、何か怖い思いをしているのかもしれない。

「イヤです。」

うおー!キッパリ断ったー!

部員達の"えっ?!"という顔が目に焼き付く。

この場で、こうもはっきり断れるお前ののメンタルは、逆にスゲーよ。

「返しに行ったら、アイツ消える?!」

怖っ?!アイツって何?!

「それは、解りません。」

「そんな…。」

北ノは、今にも泣き出しそうだ。

おい…文月。

はっきり答え過ぎだって…。

「自業自得です。今すぐお詫びの品を買いに行って下さい。」

「北ノ、よし。買いに行こう。金は俺が出してやるから、な?」

池田が北ノを慰める。

「あのさ…。」

北ノの隣に座っていた男子生徒が、おずおずと声をかけてくる。

「遠藤①…俺達も謝りに行かないとマズい…かな? 」

「その場に居たんですか?」

「いや、居なかったけど、昨日ここで箱の中見ちゃって…さ。」

「俺も北ノに見せられたんだよ…中には」

「ストップ!!箱の中の事は、聞きたくありません。」

「ご…ごめん。」

「その場に居なかったのなら、大丈夫だと思います。但し、当分北ノさんには近付かないようにして下さい。助けを求めるメールや電話が来ても無視して下さい。。」

お…鬼。

「ごめんな~北ノ。」

「わりぃ。北ノ。」

皆、巻き込まれたく無いのだろう。

口々に侘びる。

「遠藤①」

「イヤです。」

「まだ何も言って無いだろっ!!」

「日本酒なら何でもいいのか?買うのだけでも良いから付いて来てくれないか?頼む!」

池田の渾身のお願い。

どうする?文月?

「…それくらいなら。神社には、北ノさん本人が行って下さい。それから先生、お詫びの品です。ケチッちゃダメです。最低3万は持って来て下さい。」

「さ…3万。」

文月は、以外にも了承した。



続きは、また直ぐに。

―筆屋―


この物語りが、一人でも多くの人の目に止まりますように。


―筆屋―

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