配役と能力
配役数は今回提示したもので確定です。
配役、能力が確定情報になった時にあとがきに詳しい内容を記載します。
解析結果がメールで届いたのを確認した。
真人が選んだのはゲームの内容確認だった。
その結果わかったことは今回の配役は羊10人、人3人、狼4人、猫1人、犬2人となっているようだ。
また、ルール追加と削除については条件をクリアしていけば今後もされていき、条件によっては今回のように能力の追加や削除。配役の変更はないらしい。その条件までは今回はわからなかった。
そして、各役割の厳密なクリア条件があるらしい、放送で流れメールで確認できたものは簡略化されたもので各配役にしか伝わっていない内容らしい。これも内容については今回はわからなかった。
「これを見ると羊以外の配役の場合はそれぞれにルールで行動を制限されていそうだな。それにクリア条件、これも各配役で違うのかよ…」
真人が解析結果をすべて見終えた時に扉が開かれた。
「真人、ひとりぼっちで寂しくなかったか?」
「冗談は顔だけにしててくれないか?太郎」
「ひどっ!ひどいでしょ!ね、一花さんも何か言ってよ」
「やっぱり二人は仲いいんですね」
「えぶりわ~ん。時間になりました。移動の完了を確認!30分の間に元の教室に戻る人を決めいどうしてください」
うざったい放送が流れ、この移動の終了を確認する。
太郎が今回連れてきたのは一花だったみたいだ。
太郎の話ではあちらでは委員長が指揮をとりみんなをまとめていたそうだ。
方針としてはこちら側に一人ずつ送り、あちら側にはひとまず人を返さずに進めていくと決めたそうだ。
配役関係はこのまま伏せた状態で進めようとしている。
こちらに送る人選はグループごとに一人ずつローテーションで回すらしい。
「太郎、それは本当だな?」
「ああ、俺が帰った時にはもう決まっててな口出しできる状態じゃなかった」
「それなら相当まずいな」
「まずいってどういうことですか?」
「ああ、この教室を探索してて見つけたんだがなこれをみてくれないか?」
真人が取り出したのは先ほど見ていた解析結果を書いた紙だった。
能力説明を受け、ルール説明の解析を頼んだ時に紙に書いておいてあったことにすれば怪しまれないのではないかと考えて用意していたものだった。
もちろん解析者と能力の追加については伏せていた。
「このルールでいけば配役の割り当てが羊10人、人3人、狼4人、猫1人、犬2人。犬は太郎は決定としてだ。グループは大きく分けて5つになるだろ?」
「ええ、真人君、私、カラーズ、春夏秋冬に最後に1人の人たちだね」
「となるとグループ内に1人狼がいる可能性が大きいってことだな」
「ああ、それもだがもしどこかのグループに狼が固まっていた場合を考えた時に1順目で羊人狼がこちらになる確率が高くなるんだよ」
「でも、それは極論じゃないの?」
「少しでも可能性があるならこの場合は考えるべきだな、生きるために人が変わるなんて当たり前だと思うしな」
ゲームオーバー=死というのは誰もが感じていたことだがルール解析で確定になり、真人は狼が殺してでも生き残ろうとするだろうと考えた上での提案だった。
「じゃあ、どうすればいいんだよ?なんか考えがあるんだろ?」
「まずは全員にこのルールを開示したうえでグループではなく個々で考えていく必要があることを説得しなきゃいけないな」
「わかった。俺にはよくわからないから真人、お前が説明してくれるか?」
「もともとそのつもりだよ」
時計を確認すると太郎達が来てから30分が経とうとしていた。
「時間もないし、とりあえず太郎。一緒に行くぞ」
「ああ、詳しくはあっちで相談だな」
「ちょっと…まっ」
太郎と一緒に教室を出ようとした時に腕を引っ張られた。
「ちょっとまって!一人にしないで…」
カラーズに注意し時に異常に声を張っているのにもかかわらず掴んだ手は怯えるように震えていた。
「一花さん?」
「お願い、一人にしないで…。お願いだから」
「さっきの話聞いてたよね?みんなにルールを伝えないと」
「わかってるけど…。だけど、一人にしないで…ください」
「一花さん、怖いのはわかるけどさ」
「おねがい…」
太郎を見やるとしょうがないなーという顔をしていた。
アイコンタクトでどうするか相談し、真人はここに残ることにした。
「真人、一緒にいてやれ、説明は俺がなんとかするから」
「すまんな太郎」
時間もぎりぎりだったことからそそくさと太郎は教室を移動していった。