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RPゲーム  作者: ゆきたま
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ひとりぼっちの教室

移動が確定したことを伝える放送が流れる。

今後も同じ間隔で進んでいくのだろう。


真人は一人だけになった教室を眺めた。そこは先ほどいた教室と同じ配置で個室、図書室がある。

そして人数分の机と椅子が備え付けられていた。


「やることもないしひとまずは探索でもしておきますか」


誰かがいるわけでもないが声が出てしまう。

一人暮らしをすると独り言が増えるといわれてたりするがやはり人の声が恋しいのだろうか。


まずは個室を探索することにした。

個室は全部で5つ。一つひとつ開けていくと開かない扉が存在した。

それはあちらの教室で使用している2つの部屋と同じ位置の部屋だった。


「たまたまなのか、あちらで使用していると開かないのか」


とつぶやいていると鍵が施錠される音がした。

音がした扉に手をかけると先ほどは開いたのに今は開けることができなくなっていた。

しばらくすると開錠される音がし、開けるようになっていた。


「あちら側で使用した時にこちらでは使用不可ということなのか?」


個室については他に目につく事はないと判断した時に黄村を入れた部屋とリンクする部屋の扉の開錠する音が聞こえた。


「誰かが黄村の部屋に入ったのか。カラーズの誰かだろうな」


扉を開くとモニタに使用中と文字が映し出されていた。


「ああ、なるほど。あちらで使用中に扉を閉じると鍵がしまる仕組みなのか」


次に向かったのは図書室。

参考書や文学書籍が並んでいるだけであちらの教室と変わりはない。

その中で一冊、目に留まる書籍があった。


「なんだよこれ、『簡単殺人テクニック』って」


中身は表紙の通り、殺人テクニックが記載されている書籍だった。普通の高校にはこんなもの置いていない。

このゲームの主催者が意図として入れ込んだものだろう。


「殺人って、こんなゲームに巻き込まれても簡単にはできないだろうに」


手に取った書物を発見されずらい所に隠すように直し、教室に戻ると放送が流れてきた。


「はろ~。こちらの教室にいるみなさん!って今はひとりぼっちだったね!そんな君に朗報だよ!なんと!なんと初回にこちら側に残ってくれた人にはプレゼントがあるんだ!」

「プレゼントだと?」

「こーゆー場面で最善の一手が取れる人はそうそういないからね。そんな君に僕たちからささやかな敬意をしめして特別アイテムを贈呈します!」


スマートフォンのバイブレーションが鳴り始めた。


「君のスマートフォンにアイテムの詳しい内容は送ったよ。後で確認してね」


メールを確認するとそこには件名が特別アイテムと書かれたメールが受信されていた。

それを開けると大きく『追加ルール』と記載されており、下には概要が長々と記載されているようだった。


「簡単に説明するね。君には新しい能力をつけました。能力の名前は『解析者』。くわぁこいいでしょ?能力の内容としては1行動時に1回だけ君が望むものの解析ができるよ!人であろうが場所であろうがなんでもね。もちろん死因だってきちんとわかるよ!便利でしょ?」


最後の言葉に嫌悪感を感じたが今後のことを考えると便利な能力なのは間違いなかった。


「あ、それとこれは守ってほしいルールがあるんだよ。自分の能力は他人には教えてはいけない。教えた場合はペナルティが発生するからね」


放送がもう流れてこないことを確認し、メールの内容を確認することにした。


『解析者』の能力としては

1.1行動時に1回好きなモノを対象とし調査を行いメールにて報告書を得ることができる

2.自分は調査対象にできない

3.調査対象にされたモノは調査されたと認識できない

4.メール受信はこちらの教室でのみ可能

5.もし、能力が他の人に知られた場合ペナルティが発生する

能力の操作はすべてスマートフォンで行われる。スマートフォン内に解析のボタンが追加されているのでそれを選択し、対象を決める。


と簡潔にまとめるとこのような能力らしい。


「とりあえずは使用してみた方がいいのか?これ」


スマートフォンを操作するとトップ画面に入れたはずがない解析と名前が書かれたボタンが追加されていた。それを選択すると対象を選ぶ項目に移った。


「まずはゲームの内容確認した方がいいよな。配役の人数配分もわからないし。それかこの施設にして全員で逃げれる場所がないかを確認するか…」


まずはこの2択にしようと真人は考えた。個々の配役は後回しでいいと考えてのことだ。

後者にした場合はもし脱出不可能とわかった場合の手数の無駄と絶望感を背負うリスクがある。前者はゲームを進めるうえで必ずしなければならない内容だった。


「決まってるよな。どっちにするかは」


真人は解析対象を選び、結果を待つことにした。

『解析者』

最初のフェイズに移動先に残ったものに与えられる。

能力『解析』を使用可能。配役の扱いは以前の配役のまま。

解析について。

使用する場合はスマートフォンの解析アプリから対象を選択し、結果がメールで送られてくる。

解析者には以下のルールが存在する。

1.1行動時に1回好きなモノを対象とし調査を行いメールにて報告書を得ることができる

2.自分は調査対象にできない

3.調査対象にされたモノは調査されたと認識できない

4.メール受信はこちらの教室でのみ可能

5.もし、能力が他の人に知られた場合ペナルティが発生する

勝利条件は元の配役が適用される。

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