隣の教室
ちょっと短くなってしまった。
よかったら読みながら配役等を考えていただければと思います。
恐る恐る扉を開き、廊下に出た。
そこは電気もつかず暗い廊下。鼻につくにおいが充満している以外は特別に変わった様子もなかった。進んでいくとあるはずの先には壁が建てられており隣の教室の扉だけがあった。
扉を開くと当たり前だが自分たちがいた教室と同じ教室があった。
「なぁ、太郎。やっぱりお前の配役は犬なんだな」
「はぁ?何疑ってたの?」
「いや、全然。お前嘘とかつかないからな」
「あったりまえじゃ~ん。それしか取り柄ないし」
「それって自慢げにいうことかよ」
「えへへ、で真人の配役ってなんなんだよ?犬ではないよな?」
「ああ、無能力の羊だよ」
その時に放送が流れだした。
「えぶりわ~ん。時間になりました。移動の完了を確認!30分の間に元の教室に戻る人を決めいどうしてください」
ひとまずは最初の移動はできたということみたいだった。ただ帰る時間が先ほどの時間より短く設定されていた。
「そういや戻る人のそうだんできてなかったな」
「けど俺は移動しないといけないんだよな?真人を連れて帰るかどうかってとこだろ?」
「あっちと話せたらいいんだけどそれも不可能だよな」
スマートフォンを見やると圏外の表示が映し出されている。先ほどのメールを送られてから電波障害を行ったのかこれでやり取りをすることは不可能だということだった。
「ひとまず2人で帰ればいいと思うんだけど真人はどう思う?」
確かに2人で帰れば全員での相談が可能になる。ただそれだとゲームとしては進んでいない。ここに留まる場合のメリットとデメリットを考えた場合はどうなるのか。メリットとしては1手動いたことで狼の能力を考えると猫さえこちらに連れてこれれば行き来が楽になる。デメリットとしては自分が猫ではないとばれてしまう。
猫ではないとばれた場合のデメリットとしては自分の配役が『羊・人・犬』のどれかと狼側にわかってしまうこと。
と考えたうえでデメリットは相談ができない以外あまり気にすることではないことが分かった。
「いや、俺はここに残る」
「わかった。理由は何かあるんだろ?」
「ああ、簡単に言うとゲームを進めるためだ。それに次運んでこればいろいろとわかるしな」
「了解。で、お前の意見としては次は誰を運んできてほしい?」
「狼じゃないやつだな。俺殺されるのはいやだし」
「そりゃそうだ」
またまた気持ち悪い笑顔で太郎が同意してきた。こいつ、人はいいんだが仕草で損してるよな。
「できれば猫っぽいやつがいいな。そうすれば今後の行き来がしやすいからな」
「わかった。委員長にも言っておくよ」
「ああ、頼んだ」
タイムリミットも迫っていたのでそのまま太郎を見送り、真人は教室にひとりぼっちになってしまった。