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RPゲーム  作者: ゆきたま
12/13

宣言

「おい、桃川!緑谷が!」

「胸倉掴むな赤松!俺が行った時にはもうだめだったんだよ!」

「嘘つくんじゃねーよ!お前がやったんじゃねーのか!」

「落ち着け赤松!桃川にあたってもしょうがないだろ」

「ああん?青井、こいつの肩もつ気か!」

「赤松!落ち着けっての!」

「落ち着いていられるか!さっきの聞いただろ!次は俺らのだれかがターゲットにされるぞ!」

「そんな理由ないだろ!あの二人は重症だったんだから」

「くそったれ!」


赤松が蹴り上げた机が前方の壁にぶつかり鈍い音を立てていたのを横目に真人は考えた。

今回の死亡が自然なのか能力なのか、その前に黄村の死亡も自然に死亡したのだろうか。


「なあ、赤松。ちょっと聞きたいことがあるんだが」


今の状態の赤松に声をかけたのは春橋だった。


「んだよ。俺は今忙しいんだよ!」

「まあ、まあ、落ち着いて聞いてくれ。さっきの『お前がやったんじゃねーのか』とはどういう意味だ?」

「そのまんまだよ!きっと桃川が狼で緑谷を殺したんだろ!」

「ちょっと待って、なんで狼で殺したってなるんだい?」

「はぁ?お前バカか何かか?死亡=狼から殺されたになるだろ!」

「なるほど、っていうことは緑谷君は死亡するような状態じゃなかったと」


春橋は青井と桃川を見やると二人ともそれを否定した。教室にいる全員が緑谷の状態を見たいたわけではないがペナルティを考えるとそうもたないことは理解していた。


「わかったかい?緑谷君が死亡したと聞いたらまずはけがが原因で死亡を真っ先に考えるはずだ。なのに君は先に出てきたのが狼から殺された。この思考はどうかと思うがな」

「何が言いたいんだよ。お前は」

「最後まで言わないといけないのかい?赤松君」


春橋が言いたいことは省略していうと死亡=狼の能力と考えるのは狼の能力を保持しているものの思考だといいたいわけだ。


「君が狼で桃川君になすりつけているのではないのかな?」

「はぁ?俺が狼の訳ないだろ!それに狼だったとして緑谷を殺す理由がない!」

「理由はあるじゃないか。自分がゲームクリアするためだよ」

「んな理由で殺しをするとでも思ってんのかよ」

「君もわかっているだろう。脱出不可能でこのゲームに乗るしかないならゲームクリア以外は死んでしまうってくらいは」


春橋の言うとおりこのゲームをクリアする以外はこの場所からの脱出方法は今のところ考えられなかった。その上で考えると現状この場に猫と犬がいない状態になっているので狼が動くには絶好の機会だった。

真人は心中で自分の失敗を後悔していた。

黄村が死んだことで多少動揺していたとしても狼の能力の発動条件を整えてしまっていたことに気が付いていなかったからだ。


「そして、もう一つ、理由があるんだよ。赤松君」

「もう一つだと」

「君は知らないと思うがね『人』の能力でも人を殺せるんだよ」


春橋のこの言葉から推測されるのは狼を退治する能力の事だった。

やはり、退治とは殺せる能力だったのだ。

その事を考えると黄村の死亡も人の能力なのかもしれないと真人は考えた。


「僕はここに宣言する。僕は『人』だ。そして狼である赤松君、君を退治させていただく」

「なっ!お前」

「まずは能力の発動条件の説明をさせて頂く」


春橋の説明では人の能力を使用する際は自分の配役である人の宣言と能力の使用の宣言を行い、初回の使用の時のみ能力説明が必要。

また、能力の指定先は全員が対象に指定でき1ターンに1回の使用が可能。


「これで能力の発動条件は整った。いいかな赤松君」

「ちっ。俺は狼じゃねーよ」

「まだ言い逃れするのかい?」


赤松が狼の可能性。それがあるのか真人は考えた。

まず、緑谷の死亡に関しては自然死の可能性が高い。もし、狼の能力によっての死亡の場合も可能性としてはある。理由は猫、犬がすべて向こうの教室にいるために発動条件を満たしているからだ。

次に黄村の死亡に関しては自然死の可能性が高い。狼の能力の使用によっての死亡はありえない。犬である二葉がこちら側にいたからだ。

もし、二葉が犬ではなかった場合は三船が犬となるがその可能性は低いと考えられる。


「春橋、ちょっと待て。赤松が狼はまだ決めるには早すぎないか?」

「そうかい?十分だと思うけどんだけいね。真人君。もっと理由が欲しいかい?まだまだあるよ。狼である理由」


不気味にほほ笑む春橋からは異様な威圧感が放たれていた。


「理由があるなら説明が欲しいな。それになぜお前がそんなにも赤松にこだわる理由も一緒だと嬉しい」

「君は気が付かなかったのかい?彼があちらの教室に移動したがっていたのを。それは早い段階で能力を発動したかったからじゃないのかな?結局こちらで発動できたからこっちに残っててよかったとおもってるんじゃない?」

「それはさっきの脱出場所の件か?」

「ああ、そうだね。やっと気が付いたのかい?」

「それだけで決めつけるのか?心情としては普通だと思うが」

「君もわからずやだね。それも利用してだよ」


春橋と討論をしていると赤松が覚悟を決めた顔をしつぶやいた。


「しょうーがねーな。俺も宣言する。「人」だ、そして狼である桃井を退治する」

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