四話
帰宅後、アタシはシャワーを浴びて、ソファーに寝転びながら、今日のことを思い出していた。
工藤桜。
アタシの初めての友達。
嬉しかった。
こんなアタシと友達になりたいと言ってくれて。
でも、それは桜が告白を妥協したからだ。
最初は恋人同士になりたいと思ったに違いない。
いや、今もそう思ってるかもしれない。
でも、アタシが答えなかったから桜は。
アタシの胸がチクリと痛んだ。
冷静になればなるほど痛みは大きくなっていく。
その痛みの正体はわかっている。
罪悪感。
アタシは桜の気持ちを利用しただけなんじゃないか。
その疑問がどんどん大きくなっていく。
だけど、いくら考えても答えはでない。
自分で自分がわからなかった。
桜視点
「ただいま」
わたしはそう言うが、誰からも返事がない。
まあ、一人だから当たり前だろう。
わたしは高校入学と同時に一人暮らしを初めた。
高校と家までの距離が、電車で三時間もかかるため、学校まで徒歩でいける場所に引っ越したわけだ。
わたしは制服から私服に着替えて、ベットに倒れこむ。
わたしは今日のできごとを思い出していた。
わたしはただ彼女を見てるだけでよかった。
美しい金色の髪に、青く綺麗な瞳、それでいて、日本人のような顔立ち。
彼女はどんな宝石よりも美しいと思った。
そんな彼女にわたしは告白してしまった。
本当はまだ告白するつもりはなかった。
だけど、屋上で彼女の瞳を見た時、まるでなにかに吸い込まれるように告白をしてしまった。
さすがに、その後、自分の言ったことに気づいて、わたしは断られることが怖くなって友達からと言ってしまった。
でも、さすがに泣かれるとは思わなかった。
しかも嬉し泣き。
きっと、彼女はそのくらい友達という存在を望んでいたんだろう。
わたしにはそのことが、一生わからないかもしれない。
友達のいない悲しみも、つらさも、孤独も。
だけど1つだけ、確かなことがある。
それはわたしが彼女の友達になった。
そして彼女がそのことを喜んでくれたこと。
でも、それは彼女が恋愛対象として見てくれないなによりの証拠。
今さらながら、少し後悔する。
これはわたしが望んでいた結果じゃない、でも、これでもいいやと思う自分がいる。
はっきり言って自分がわからなかった。
友達で満足しているのか、それとも友達以上の関係になりたいのか。
わたしはそこまで考えると、時計を確認する。
どうやら結構な時間考えていたらしい。
わたしはベットから起き、夕食の支度を始めた。
四話目です。