面接
「君ねー、僕は君、ダメだと思うよー」
躰を揺らしながら太った副店長はアルバイトの面接をしている。
「ハァ・・・」
面接を受けているのは18歳の若者だ。副店長はこの若者のオドオドした感じが嫌いだった。
一言で言えば、商売を舐めている、と思った。こんな人見知りの野郎に接客業など出来やしない、と。
「まーボクが君を採用するか決定するわけじゃないけど、店長も君のことはねー・・・、まぁ好かないと思うよねぇ。」
「ハイ・・・」
ハイかハァしか言わねえなんて。こんな若者が世の中に蔓延しているから俺たち中年が困っているんだろう。愛想笑いしかしねえガキめ。
「君ねー、もっと返答ないの?」
「ハァ・・・」
「はぁ?」
「ハイ・・・」
もうだめだと思った。一番嫌いなタイプだった。イライラして貧乏揺すりもしてしまう、そりゃ。カタカナで「ハイ」や「ハァ」だけ。なんにも考えてない。思考停止している。
「君、趣味は?」
「・・・」
「趣味は?」
いちいち返答の遅いガキだ。と思ったら若造が声を出した。
「ウィーピウィーピ」
なんだ・・・?
「ウィウィウィウィ」
「はぁ?」
「マンコマンコ」
ついに狂ったか。なぜこんなキチガイ野郎を面接してしまったんだろう。電話で断っときゃ良かった。
若者がバックに手を突っ込んで、キラリと光る包丁を取り出した。あっと思った瞬間、包丁は副店長の喉仏に突き刺さっていた。喉の奥から血が這い上がってくる。まるで水位が上昇するように。そして口から血の大噴火。
「がはぁ、はぁぁ、あぁぁ」
「ウィーピウィーピ」
更に包丁が副店長のペニスを貫く。副店長は発声器官をやられてマトモに話せない。
「ぎゃが」
「ギャガギャガ ウィーピウィーピ」
その後、躰を数度刺されて副店長は死亡した。
「チーン」