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漆黒の花嫁  作者: つかさ
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久しぶりの黒

僕はあれからワイナーから色々学んだ。

尊についてをひたすらと話し合ったのだ。


戦いでは互いを信頼しあい、意図が掴めなくても私の命令は信用するように、と言われた。

そしてこれからルーカスの目を盗んで訓練を行う。尊の関係を強く結びつけるためだ。

訓練では僕の力の暴走をなるべくさせたいらしい。それをある程度どんなものか判断して僕に見合った抑え方を習得するのだとか。

その他も色々と半作戦のような話しをした。


そして五ヶ月の期間。

それはワイナーは考えるなと言った。

気を張りすぎてはよくない。むしろ大丈夫だと思い込め。だがもしも駄目だと思った時、逃げ道は用意する。だから何か異変があったらすぐに言うように、と。


そしてルルーシュ。

彼女には今まで通り仲良くしてやればいいと言われた。


僕が忙しく不在していた期間、もちろん他のデトランも乱舞の間にこびりついていたはずだから、ルルーシュは完全なひとりぼっちだったはずだ。

きっと寂しい思いをしている。また泣いているかもしれない。

最悪、彼女は僕と共にここを出てもらう。残して行ってもルーカスがまた何をしでかすか分からないからだ。


仲間達については好きにしていいと。

話すのも話さないのも選ぶ友もすべて僕の判断。

まぁ、半分決まっているようなものだが。


ヴァルにもすべてを報告した。

僕の表情を見て安心したのか、久しぶりに笑顔を見た気がする。きっとヴァルも色々と考え込んで疲れているはずだった。

お前の道はいつでも自由で、希望がある。

そう言ってどこかへ行った。




僕はワイナーと何時間も語り混んだあと、久しぶりの自室へ足を運ばせた。

心なしか少し緊張している。


最後に会ったのは、三日前ほどだろうか。

とても気まずい空気のままだ。それも一方的なものかもしれないけれど。


カチャリ、とゆっくり扉を開いてみる。

「……」

真っ暗であまりにも静かな部屋に、僕は少し焦って部屋に大きく踏み出した。

ルルーシュは、どこだ?


「ロ、ロア……?」


ドキッと心臓が鳴った。

か細い、だが紛れもない、ルルーシュの声。


「ルルーシュ……」

「ロア!!!」

ばふっと軽い体が抱きついてくる。よろけるまでもなくその体を受け止めた。

「……ロ、ロ、ロア、ロア!」

肩に触れると、わずかばかり震えている。

声も震えて、泣いているのか……。

「ルルーシュ……すいません、本当に。忙し……」

思わず言葉を切る。


忙しかった?


それは言い訳だ。

ルルーシュがあの日言おうとした言葉の続きを、ルルーシュの元へ行くことでもう一度言われてしまいそうで、怖かったんだ。

少し避けてしまった。

戻ろうと思えば戻れたものを。



僕は本当に、弱い。



「すいません、ルルーシュ。こんなことはもうないです。絶対、毎日帰ってきます。だから……」

かがんでルルーシュの目線に合わし、顔を覆っていた両手をそっと外した。

涙で、ぐしゃぐしゃだ。

「もう、泣かないで……」

「っ会いたかった、ロア!」

ぎゅっと、ルルーシュが再び抱きついた。

「うん」

「さみしかった」

「……うん」

「……ずっと、待ってたの……。おかえりなさいロア」

「……っ、た、だいま……」

思わず僕も腕に力をいれて抱き返した。

ルルーシュが、また少し痩せてしまった気がした。


ここまで追い詰める僕はどれほど最低なのだろう。

嘘でもなんでもなく、無茶をしてでもこの部屋に帰ろうと思った。

罪悪感がひしひしと内臓を痛める。



「ロア……今日の夜は、お仕事?」

落ち着いたルルーシュは遠慮っぽく僕にそう聞いてきた。

行ってほしくないのだろうな、と分かるほどにルルーシュの表情は不安そうだ。

「今日は一緒に寝れますよ。ずっと一緒にいれる」

分かりやすいルルーシュはやっぱり笑顔になった。

「嬉しい……!」

ふ、と笑みが漏れた。

「晩ごはん、ここで食べましょうね。けれど少しだけ外します。と言っても、グラルダーは分かりますか?」

「うん、乱暴な人」

少し笑いそうになった。

「そいつの所に少しだけ行きますね。外にはもう出ないので。まだ安心できますか?」

「できる、待ってる」

まだちょっと言葉が下手くそなルルーシュだが、意思を伝えようという思いはとても伝わるんだ。


頭を撫でると嬉しそうに目を閉じた。

「すぐ戻ってくるので、いってきますね」

「いってらっしゃい、ロア」

純粋な笑顔は、眩しく感じた。

もう一度軽く頭を撫でてから、僕は部屋を出た。


扉を出て僕は思わず重い息を吐いた。

少し、焦った。


動揺しているんだ。

これは、昔の感覚によく似ている。

動揺している理由なんて考えないようにと頭から無理やり追っ払って、僕はグラルダーの自室へ歩みを進めた。




すべてを話す時が、きた、

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