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漆黒の花嫁  作者: つかさ
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隊長との力の差

「もう準備できてる〜?」

「準備といっても何もないからね。すぐにいけるよ」

僕とギルティは一緒にワイナー達との集合場所に向かった。

「護衛護衛てさぁ、絶対いらないと思うんだよねぇ。逆に邪魔になっちゃいそ〜」

「そうだね。隊長達は強い」

「……まぁ、思惑があるなら分かるけどぉ」

「?」

ギルティの言葉の意味が分からず首をかしげたが、ギルティはそんな僕ににこりと笑っただけだ。まぁいいかと前に向き直って先へ進んで行くと、隊長二人のすがたが見えた。

「ミスター・ゼルヘブン、ミスター・ワイナー。お待たせしてすいません」

「おお、来たか。さて、準備は万端かな?」

ミスター・ゼルヘブンが愛想良く話しかけてくる。

「はい、大丈夫です」

「行こうか」

そうして僕らは微かに感じる一番強い気を追って行ったのだった。









「ここまで悪魔と遭遇せんとは。避けられているようだな」

「隊長の気が強すぎるのでは?」

「それもあるだろうが、こちらの気を隠せば逆に弱い悪魔が寄ってくる様になるだろう。大きな気に臆せず現れる悪魔は強いのだよ、ロア」

僕はなるほどと頷いた。経験の差だろうか。隊長格のデトランはきっとレインダーの中でもその上を目指して任務に向かうのだろう。

僕がもしかなり力の強い悪魔に一人で出会ったなら、殺せるのだろうか。もしも殺せたとしても重傷か、相打ちあたりまでいくかもしれない。そう考えれば自ら強い悪魔を探し出す隊長格は本当に強いのだろう。

「……何かおかしいな」

ギルティがぽつりと言った。

「そうですね。気の歪みがある」

「気の歪み……?」

初めて聞く言葉に僕は首をかしげた。

「えぇ、強い悪魔の気を探ろうとした時その悪魔の気が歪むのですよ。感じませんか?そうですね……気を探っていくと眩暈の様な感覚になると言うか」

言われた通りに気を追っていく。強い気は二つあるが、そのうちの一つははるかに気が強い。

もっと居場所を探ろうと集中すると、急にぐにゃりと気が曲がり目が回る様な感覚に陥る。あわてて意識を元に戻すと、ワイナーが僕を見て微笑んでいた。

「ね?あったでしょう?そういった感覚を私達は気の歪みと言っているのです。気の歪みが生じる時はその悪魔はかなり強い証拠となる。気を引き締めて追いましょう」

再び前に進んだワイナーを追いながらも、僕は何度も気の歪みが発生した気を追ったが、居場所を確定しようとした時におこる眩暈が邪魔をし成功はしなかった。



「近いですよ、気を付けなさい」

ワイナーがそう言う前から僕はすでに構えていた。

なんだ、これは。こんな気今までに知らない。気が強すぎて悪魔がどこにいるのかも定められない。ただならぬ気の強さに嫌な汗が背を伝う。

「危ない!」

ミスター・ゼルヘブンが叫んだ瞬間、物凄い爆音と共に体が吹っ飛んだ。ごうごうと爆発の余韻の音が聞こえたが、目を開けても砂埃で前が伺えない。

「……ワイナー!?」

砂埃が晴れていくともに見える様になった視界に初めにうつったのは、ワイナーの後姿。片膝をついて僕に背を向けていた。

「誰が呼び捨てにしていいと言ったのですか?」

背中越しにワイナーがそう言い、僕ははっと口元に手をやった。うっかりと裏で言う様に呼びすてにしてしまった。

「ディール! そっちは大丈夫か!」

「えぇ、大丈夫です」

どこからか聞こえるミスター・ゼルヘブンの声にワイナーが答えると、すっと立ち上がり僕を見下ろした。

「いつまでそうしているつもりです?敵はすぐそこですよ」

地面に転がっていた僕を半ば見下す様にワイナーが言った。爆発と突風に対処できなかった自分にもどかしさを感じながら起き上がる。ワイナーが近いと言ったのは気の近さじゃない。敵の距離だ。自分では距離感の掴めなかった気をワイナーはたやすく定められたのだろう。ギルティも同じだったのか、ぼくと同じ様にミスター・ゼルヘブンの背の後ろでふてくされた面持ちで立っていた。

「……おや、これはまたお若い」

ワイナーのつぶやきにふと前を見る。

爆発によって突き出た岩の上に悪魔は立っていた。こんがり焼けた肌に燃える様な赤をした髪の男だ。遠目でもその悪魔が若いのが伺える。まぁ、悪魔は身なりを自由に変えれるのだが。

「お若いのはそちらさんもだろ?」

その悪魔は人懐こそうな笑顔でそう言った。

「本題に入りますが、君何か知っていますか?悪魔の進化についてと、悪魔を仕切る主について」

「単刀直入にも程があるな覇打獣さんよ」

「ほう、覇打獣だと分かるほどの経験がある様だな」

ミスター・ゼルヘブンがすっと目を細めて言った。

「まぁそうだな。あんたらデトランとは因縁深いし?」

「あれだけおかしいくらいに気を放っていたのも私達の行動を把握してですね?気を追ってくると分かっていての事でしょう」

「当たり前だぜ。あんなけばんばん気放ちっぱなしにしちゃあ周りにいる人間が耐えきれず死んでしまう」

「なぜ私達を呼び寄せた?理由があるのだろう?」

ミスター・ゼルヘブンの言葉にニヤッと悪魔が笑う。

「色々聞き出したいなら力尽くで来な?」

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